雪のち晴れの奥多摩
−御前山から大岳山−

【年月日】

2017年3月27〜28日
【同行者】 全部で12人
【タイム】

3/27 奥多摩湖バス停(8:30)−サス沢山(9:46-9:54)−惣岳山(12:10-12:18)−御前山(13:05-13:15)
  −御前山避難小屋(13:28)
3/28 御前山避難小屋(5:29)−大ダワ(7:12-7:24)−
  小休止(8:27-8:35)−大岳山(9:55-10:20)−ケーブルカー御岳山駅(12:33)

【地形図】 奥多摩湖 武蔵御岳 ルート地図

 日曜日に南岸低気圧で、月曜日のお昼には低気圧が抜けるという予報だった。
 今回の山登りは日曜日に数馬から入山して、三頭山避難小屋で幕営、月曜日は御前山避難小屋まで行って幕営、火曜日に大岳山に登って下山というプランだった。
 日曜日に所用があるというメンバーがいたので、今回は、月曜日に、御前山避難小屋で合流することになった。
 コースは、27年前2年前と同じく、奥多摩湖からサス沢尾根を登る。

 日曜日は朝から冷たい雨で、現地は雪だろうと思われた。
 もっとも、行程が数馬から三頭山の小屋までなので、日曜日でもあり、お昼前後に到着できれば、小屋でゆっくりできるかもしれないと思ったりもした。

ラッセル(大きな写真)
御前山山頂(大きな写真)

 雨は終日やまず、翌朝になっても降り続いた。
 このぶんでは奥多摩はかなりの積雪で、先発している本隊は苦戦を強いられると案じられた。

 明け方までの雨が、4時半に、とつぜん大粒の雪に変わった。
 道路があっという間に白くなった。

 しかし明るくなってから、西武線・八高線の車窓から外を見ると、雪ではなく、しとしと雨が降っている状態だった。
 それも次第に弱くなり、登山開始前後にはやむかと思えるほどではあったが、道行く人の多くはやはり、傘をさしていた。

 奥多摩駅でのバスは乗り換え時間がほとんどなかったのだが、首尾よく乗ることができ、スムーズに奥多摩湖バス停に着くことができた。
 完全にあがっていたわけではないが、雨はほとんどやんでいた。

 歩き出しは積雪がほとんどない状態だったが、尾根に上がるとキックステップになる。
 サス沢山までも急登なのだが、まずまず元気に登ることができた。

 サス沢山で小休止。
 奥多摩湖が見える展望地らしいが、もちろん展望は皆無。

 その先の植林帯から雪が深くなったので、ワカンを装着した。
 ワカンのバンドが紛失して困ったが、ここは細引きで対応。
 積雪は次第に深くなっていくので、本隊はかなり苦戦しているだろうと思った。

 サス沢山からは顕著な急登が4ヶ所出てくるので、一つ一つ数えながら登った。
 第一急登が終わったところで、トップを少年と交替。
 以後ずっと、少年がラッセルしてくれた。

 細かな雪が舞ってはいたが、降雪よりも木の枝についた雪がいきなり落ちてくる雪爆弾のほうが脅威だった。
 最後の登りはかなり急で、けっこう辛かったが、ようやく惣岳山。
 ここに本隊の踏み跡があるかと期待したのだが、まだみんなは来ていなかった。

 とてももったいない惣岳山の下りからは雪がなければ遊歩道なのだが、深雪なので、平坦なところでもラクでない。
 御前山でも小休止。
 ここに来るのは5回目だが、見たことがないほどの積雪量だった。

雪の尾根(大きな写真)
大岳山からの富士山(大きな写真)

 避難小屋に着いたのは13時半ころで、予定していたより1時間ほど遅くなった。
 しばらく待っていたら、本隊も無事に到着したので、安心した。

 水場は完全に埋もれていたので、まずは水作り。
 引き続き、炊事にかかった。

 自分もかなり疲れていたので、この日は早々に眠ってしまった。
 夜中にトイレに起きてみると、下界の夜景がきれいに見えており、好天は間違いなさそうだった。

 ここからトレースのない道を行くのだが、下山が遅くなっても困ると思い、しばらくトップを歩いた。
 御前山の下りでご来光があり、樹林越しに富士山なども見え隠れした。
 空は青く、まだ油断はできないが、今回山行の締めくくりとしては、いい感じになった。

 大ダワで小休止し、大岳山への分岐に入ると、ほぼ平坦な道が続く。

 大岳山への最後の登りは岩場・鎖場混じりの急登で、着きそうで着かないところだが、しばらくトラバースして山頂道標が見えたところで強引にずり登ると、うまい具合に山頂広場に出た。
 2年ぶりの大岳山だが、相変わらずの富士山が大きく、今回は三日間の山行で、最初で最後の大展望だっただけに、じつに爽快だった。

三つ峠山(大きな写真)
天狗の腰掛け杉(大きな写真)

 あとは特に問題なく、御岳山登山鉄道の駅まで行くことができた。
 雪がまったくなかった2年前と比べて1時間半程度の遅れなので、十分健闘したといえると思う。

 たった三日間の山行だが、いろいろなドラマがあったと思う。
 若者たちと作ったこの小さなドラマの結末がはっぴいえんどで、よかった。