入川水系のイワナ

 入川は荒川の本流です。下流部に管理釣り場があり、赤沢谷出合までは、管理釣り場から逃げた養殖イワナが遡っている可能性が高いです。

 赤沢谷出合の取水ダムには魚道が設置されていますが、土砂が入っているため、そこを登りきるイワナがいそうには見えません。

 赤沢谷は釣り荒れているため、一見しただけで秩父イワナかどうかはわかりづらい個体が多い。
 しかし、密放流されたという情報があるので、今後注意していく必要があると思われます。

 金山沢・真ノ沢・股ノ沢は、2005年の時点では密放流はなく、在来イワナが健在です。

 このあたりのイワナがもっとも秩父イワナらしいイワナで、腹部の橙色と橙斑、消えてしまいそうな白斑が特徴的です。

入川イワナ鑑賞の手引き

 本流上流で釣れた上の個体で約20センチメートル強。秩父在来イワナの特徴が現出するにはややサイズが足りません。
 それでも、頭部のうしろから背びれの付け根にかけての部分には白斑がなく、地模様になっています。
 測線から下の白斑もほとんど消滅。
 パーマークが残っており、各ひれの橙色はまだあまり出ていないところから、若齢の在来種であろうと考えられます。

 この個体はX沢の典型的なパターン。これで24センチメートル。
 上記の特徴を備えた上、腹部及び各ひれが橙色に染まっており、一見して在来種と思える典型的な秩父イワナ。

 この個体で約30センチメートル。
 かなりの年月を経た在来イワナの特徴を持った個体。
 橙斑は比較的明瞭なのですが、白斑はほとんど消えかかっています。
 35センチメートル内外の個体となると、橙斑・白斑ともにほとんど消滅してしまいます。