タラの実酒
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タラノキは、春にしか用がない。
当地ではタラッペと言うが、タランボなどと呼ぶ地方もある。
言わずとしれた、春の人気ナンバーワン山菜。
トゲだらけなので、採取には革の手袋が必要だ。
葉が広がり出すと食えないし、トゲが痛くてかなわない。
伐採あとや林道ののり面など、荒れ地に好んで生える灌木だが、春以外の季節に釣りや山でヤブこぎの途中にこれに会うとうんざりする。
秋になるころには白い小花を咲かせ、やがて黒くて小さな実をたくさんつける。
しかし、タラの花も実も、省みる人など、たぶんいない。
何度も言うように、タラノキは春にしか用がないとされているから。
この黒い実を丹念に集めて、酒にするとどうなるか。
しっかり熟成させると美しい琥珀色に仕上がる。
この黒い実はそのまま食べてもいくらか甘いのだが、酒にすると甘さが際だつ。
香りはウコギ系らしい薬臭だが、決して不快ではなく、すっきりと身体に沁み込んでいく感じ。
食前酒としては、かなりランクが高い部類に属すると思われる。
作り方
実は漬け込み10日程度で引き上げる。
1年以上熟成させます。
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