クマイチゴ酒 |
渓流のキイチゴは、黄色いモミジイチゴと赤いクマイチゴ。
いずれも、さわると痛い棘があって摘みにくいが、とてもおいしいから、手を伸ばさずにはいられない。
その場でむしゃむしゃ食べるのが、一番うまいが、少しは持って帰りたい気もする。
摘んで帰ったクマイチゴは、ヨーグルトにのせて食べてもいいし、ジャムにしてもいい。
ホワイトリカーにしばらく漬けておき、エキスが出たころあいを見はからって、いちごを引き上げて熟成させるのは、ドドメと同じ。
一年経ったクマイチゴの酒は、透き通ったピンクの酒に仕上がった。 そして、キイチゴの甘さと酸っぱさと、初夏の渓流の気持ちよさを酒に凝縮したようなさわやかな香りをもつ、すばらしい酒になってくれた。
グラス一杯で、瀬音がよみがえる。 |