コオロギ

 わたしは、モンシロチョウには比較的寛大なのですが、コオロギに対しては、かなり反感を持っております。

 コオロギは、いい声で鳴くので、畑に生息しているだけならまったく問題ないのです。
 しかし、夏の盛りから初秋にかけて、アブラナ科野菜の苗は、ことごとくコオロギの餌食となります。

 コオロギがもっとも好むものは白菜の苗で、植えた苗を放っておけば、まちがいなく、ひと晩で丸坊主になります。
 それ以外にも、ダイコン、カブ、シャクシ菜、キャベツなども、コオロギに食われます。

 以前は秋の彼岸を過ぎれば、コオロギがおとなしくなったように記憶しますが、近年のコオロギは、晩秋まで達者にしております。
 これはどういうことかというと、以前であれば、9月に入ってから白菜の種をまき、彼岸すぎに定植すれば、コオロギの害を受けないですんだのですが、現在は、いつ植えてもコオロギに食われてしまうということなのです。

 農薬を使わないコオロギ対策は、徹底した網掛け以外にはありません。

 モンシロチョウの時のように、いい加減な網掛けでは、まったく効果がありません。
 白菜に対するコオロギの執念は、すさまじいものです。
 どんな小さな抜け穴も見逃さずに侵入して、苗を食ってしまいます。

 網の裾に、しっかりと土をかけて、コオロギの入り口を完全に遮断します。
 網の裾を、完全に埋めてしまうので、当分のあいだ、追肥も除草もできなくなりますが、白菜の場合は、苗がある程度大きくなって、多少食われても枯れることはなくなるまでは、網の保護下で育てます。

 コオロギにねらわれる白菜以外の作物は、壊滅的なダメージを受けることはあまりありませんが、白菜同様に網を掛けた方が安全です。