志津から女峰山周回

【年月日】

1997年7月21日
【同行者】 2人
【タイム】

志津(6:35)−大真名子山(8:30)−小真名子山(9:50)
−帝釈山(11:40)−女峰山(12:35)−志津(3:20)

【地形図】 日光北部

男体山から見た大真名子、女峰山

 朝のササ原は、露を含んでいるので、雨具を着ないと通過できない。

 大真名子への登りにかかると、ササが消え、ツガの樹林帯。

 傾斜は急だが、アカアザタケ、ミネシメジ、カヤタケ、ヤマイグチ、チシオタケなどがぽつぽつ出ていたので、キノコを見つけるたびにザックをおろして、観察しながらゆっくり登った。

 草花はゴゼンタチバナとイチヤクソウくらい。

 メボソムシクイ、コマドリの声が響くなか、高度を上げていくと、樹林越しに男体山が見え隠れ。

 神像を二体見て過ぎ、傾斜がゆるむと、やはり神像立たせる大真名子の山頂。
 祠や社のある人臭いところだ。
 残念なことに、ガスで展望なし。

 ひと息入れて鷹ノ巣への急降下。

 こっちはシラビソの樹林帯。
 林床が苔むしていて感じがよいが、縞枯のあとと見えて、若木が多い。

 ウソ、ルリビタキ、ウソに似た声で鳴く濃褐色の鳥などの声を聞いた。

 転げるように下って鷹ノ巣。
 黄色タイプのモリノカレバタケを見てザックをおろした。
 ダケカンバがあるので、ヤマイグチはたくさん出ているが、夏のキノコは悪くなるのも早いと見え、食べられそうなのはひとつもなかった。

 ハクサンシャクナゲは、いたるところに咲いていて、満開。
 ベニサラサドウダンの花はもう終わりかけだが、花のついている株もあった。

 小真名子では、少しガスが晴れたが、女峰山の全体は見え難かった。
 眼下に見える施設はなんだったのだろう。

 地形図で見るとかなり強烈な、小真名子の下りだが、ガレてはいたがさほど急でなくてほっとした。
 下りついた林道の富士見峠には、バイケイソウの群落が大開花していて、とてもみごとだった。
 この花は、いたるところで咲いていた。

 帝釈山へは直登だが、やや傾斜が緩いので、少し楽。

 左右にシャクナゲを見ながら登りつめると、好もしく開けたピークだが、またガス。
 ときおり陽は射してくるのに、展望だけは開けてくれない。

 このコースの、お花見ルートは、ここから女峰山にかけて。

 クロマメノキ、コケモモ、キバナニガナ、オトギリソウ、バイケイソウ、カラマツソウ、ミヤマダイコンソウ、ホソバノイワベンケイ、オノエラン、ネバリノギラン、ツマトリソウ、コメツツジなど。

 花を見ながら、やせ尾根を行き、ガレ場を登って女峰山へ。
 登りが終わると、ほっとする。

 下山は唐沢小屋から馬立へ。

 急傾斜の道に、マルバダケブキやギョウジャニンニクの花も咲いているが、ガレもひどい。

 唐沢小屋の水場はずいぶん遠いが、クロクモソウやクロバナロウゲ、クルマユリなどが咲き、冷たい水が湧くいい水場だった。

 その先は、ササ原の中の緩やかな下り。
 前方に大堰堤があらわれると、水の流れていない荒れた川を渡る。
 日光の山は崩壊途中にある山だから、しかたがないのだろうけれど、なんとか木を植えて、水が流れるようにする方法はないものか。

 馬立までは、予定になかった急登だが、すぐに林道。
 志津まで約50分。
 自動車のところに着くと同時に、雨が降り始めた。