ここは眺めがいいから、おれは気に入っている。 シダなんかつかんで、岩場を登ろうとする無茶な釣り人も、たまにはいるが、おれを手がかりにして、この壁を登ろうとするようなやつは、いない。
秋の滝。 静かな季節になるが、釣り人がこなくなると、淋しくもある。
ほら、おれは、ここにこうして生きているんだよ。 目に留めてほしいから、せいいっぱい赤い実を輝かせているんだよ。
秩父の渓にて