渓の花の旬は、一気にやってき、あっという間に、過ぎ去っていく。
フジは、人里に近く、比較的浅い渓に多い。 フジも、咲くときは、たいへんみごとに咲くから、花の時期には、こんなにたくさんのフジが生えていたのかと、驚いてしまう。
河畔の木にとって、フジに絡まれるのは、この上なく迷惑なのだが、開花の時ばかりは、ぜいたくな宝飾品をまとったみたいに、華やかになれる。 日増しに緑を濃くする渓に、甘い、フジの香りが、立ちこめる。 紫色の花殻が、みなもを流れると、初夏の近いことが、感じられる。
秩父・大血川にて