資料は、現在の荒川は、「計画の1/200に対し、1/30程度とまだまだ安全度の低い河川」だと述べています。
流域住民の安全が、第一義的課題であることはまちがいありません。
この1/30というのが何の数字であるかは、書いてありませんが、前後の文脈から推察して、30年に1度クラスの洪水にしか耐えられないということなんだろうと思われます。
資料によれば、二瀬、浦山、合角、滝沢とダムを造ってきてようやく、ダムの整備計画からすれば、たった37パーセントの達成率だとのことです。
ということは、滝沢・浦山ほどの巨大ダムを今後、最低4ヶ所は建設しなければならないということです。
もちろん、ダムの規模が小さければ、そのぶん、数多くのダムを建設しなければなりません。
秩父には、巨大なダムが造れそうな川は、大洞川・入川・滝川と3つしかありません。
ということは、秩父源流すべてをダムにしてしまっても、足らないのです。
要するに、このような治水計画自体が、そもそも実現不可能な計画なのです。
国土交通省は、オランダ(10000年確率高潮)、イギリス(テムズ川 1000年確率洪水)、アメリカ(ミシシッピ川 500年確率洪水)と比較して、日本の河川の整備率が遅れているというように、外国と比較した議論を持ち出しそうですが、国土の地形等、比較の土台が異なる国を比較すること自体、意味がありません。
温暖な海に囲まれ、湿潤な季節風と峻険な脊梁山脈という、独特の気候的・地形的条件にある日本では、暴れる河川をコンクリートによって完全に封じ込めることなど、不可能なのです。
上のダム整備計画を実現するためには、秩父地方の河川のほとんどをダム化するしかありません。
それでもなお、敢えて今後もこの計画に基づいて、ダム建設を進めるのでしょうか。
キャサリン台風をしのぐ規模だった1999年の大雨が、甚大な被害を出さなかったのは、幸運でした。
人命は、何に換えても、守られなければなりません。
だからこそ、旧態然たる従来手法ではなく、避難態勢のさらなる整備や、荒川中流域の水田の整備(減反などとんでもない)、下流域の遊水池(地)の整備など、水と稲の国らしい、ソフト的な治水対策にこそ、もっと力を入れるべきではないでしょうか。
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