秋色の滝川

 昨年は多忙のため参加できなかった瀬音・源流部会の清掃山行に行くことができた。
 同行者は、ここ10数年清掃山行を続けておられるJICKYさん
 今回は、豆焼沢出合から滝川を遡行して、曲沢出合に至り、曲沢を右岸山道まで遡行して、高滝下の吊り橋経由で戻るというコースだった。

沢小屋沢より一つ手前・右岸から入る小沢

 東大演習林の自然林をまずは、下降。
 ブナやツガの原生林が、圧倒的だ。
 軌道跡を歩いて、豆焼沢出合へ。

 以前は、朽ちた橋の残骸がかかったところを、死ぬ思いで渡ったものだが、整備は一応されているから、危険はない。
 しかし、ずいぶん荒れていた。

秋色の渓

 豆焼沢出合への下降点から下る踏み跡には、トラロープがかけられていた。
 昔はそんなものはなかったし、まだ薄暗い中を急いで下ったのが、信じられない。

小沢

 出合の風情は、以前と同じだ。
 川原の石に腰かけて、仕掛けを作った場所を渡って、滝川本流へ。

 足首ほどの渡渉が、ずいぶん冷たい。

朽ちた吊り橋

 何度来たかわからないほど慣れた渓のはずだが、ほとんど見覚えがなく、ちょっとしたへつりや乗っこしに四苦八苦する。
 先を行くJICKYさんについていくのが、精一杯だった。

 沢小屋沢を見て過ぎると、ほとんど朽ちた吊り橋。
 この橋は、20年前の時点で、渡れる状態ではなかった。
 これをくぐると、小ゴルジュとなる。

 ずっと以前に比べると、水量が少ない。というか、淵が土砂で埋まっているのだと思う。

 真夏なら、正面突破が安全・快適なのだが、時期が時期だけに、腰まで浸かる渡渉は勘弁だった。
 しかし、太ももくらいまでの渡渉と、左岸の小さな巻きで、核心部を抜けることができた。

小ゴルジュ

 渓が再び広くなると、以前と変わらない姿の曲沢出合。
 ここで小休止。

 朝は晴れていた空が、薄曇ってきた。

曲沢2段8メートル滝

 曲沢に入ると、高度がどんどん上がっていく。
 前方に、2段8メートルほどの滝。

 ここは右に残置されたトラロープを使って巻く。
 さらにしばらく行くと、左手の植林地に赤いピトンがさしてあったり、ピンクテープが巻いてあるのが見えてきた。

 さては右岸山道に着いたかと、そこを上がってみるのだが、かつて歩いた道とはずいぶん様子が異なり、ひどく荒れて、けもの道と変わらない状態だった。
 これはちがうと思い、急傾斜の植林地をしばらく這い上がって、ようやく右岸山道に登り着くことができた。

右岸山道

 これでずいぶん消耗したが、右岸山道が曲沢に出合う地点を確認するために、南へ向かう。
 いくらか荒れてはいたが、間違いなく右岸山道の曲沢出合に至ることができた。
 ここにはしっかりと、漁協の立て看板が立てられており、金山沢方面への踏みあとも残っていた。

 小休止して、吊り橋方面へ戻る。
 かつてしばしば下った、沢小屋沢出合付近への下降点は見つからなかった。

 吊り橋への下降点を直進してしまい、またまた迷子になりかけたが、どうにか吊り橋へ下ることができた。

 勝手知ったるホームグランド散歩のつもりだったが、滝川探検山行になってしまった。