これぞ奥秩父
 またまた久しぶりの源流行きとなった。
 同行者は荒川水系渓流保存会の皆さん。

 畑ノ沢を遡行するのはたぶん5度目。
 この前に来たのが6年も前だから、ずいぶんご無沙汰したことになる。
 奥秩父きっての美渓である。

ウラベニガサ(大きな写真)

ヤマツツジが見ごろだった

 左の渓に先行者がいたため、こちらに入り直したのだが、雨続きだった割に、流れは意外に穏やかだった。
 とはいえ、源流遡行自体が久しぶりだったから、一歩ごとに感触を確かめながら、慎重に行った。

 2番目のゴルジュはかつて左の壁を登って往生したが、ここは右の大高巻きが正しい。
 尾根の上にはヒノキが生えていて、いかにも奥秩父らしい。

 しばらくはのどかだが、沢の中に倒木が多くて、気になった。
 たぶん、昨年の台風によるものだと思われるが、若い樹というものは、このようにして淘汰されていくのかも知れない。

2番目のゴルジュ

3番目のゴルジュ

 3番目のゴルジュは見た目が凄く、ここまで来たことを一瞬、後悔させる。
 しかし、緊張はしなければならないものの、右岸の壁を行けば、無事に巻き終えることができる。

 4人パーティだったのだが、まずまずゆっくりめのペースで小淵、大淵を超えていく。

 ナメ滝下の丸淵で初心者だというFさんが滑落したときは、驚いた。
 そこまで、注意を要するところははだいたい、Aさんが先に行ったのだが、その時だけはFさんが先頭で右の壁を巻いた。
 壁にあるバンド状を斜上し、手がかりを見つけて滝上に出ればよかったのだが、バンドを滝頭までトラバースしてしまったらしい。

 ウォータースライダーのように滝を滑り、ちょっとジャンプして淵に落ちたFさんがすぐに浮かんでき、淵尻に向かって泳ぎ始めたので、本当にほっとした。
 そこからは、自分もいちだんと慎重に遡行した。

アサノハカエデ

小屋前の焚き火

 イワナの機嫌もまずまずで、あまりたくさんは釣れなかったが、秩父在来イワナらしい特徴のイワナを数個体、見ることができた。

 入渓したのが午後近かったため、ゆっくりの遡行では、魚止めまで行くのが難しくなった。

 左岸側から支流を合わせると最後のゴルジュ。
 ここを低く巻くと連爆帯で、高度をどんどん上げるのだが、時間切れになっては困るので、そのまま尾根まで登って登山道に出、畑ノ沢林道の巨木を鑑賞しながら、銀杏小屋に戻った。

 夕方からは恒例の焚き火。
 しばらく睡眠不足が続いていたので、この夜はよく眠ることができた。