清掃山行2007

入渓点にある遭難碑

壁には氷柱が残る

 この季節としては異常に暖かい日だったが、和名倉山の斜面には残雪がべったりと付いていた。
 沢靴を履くのは2年ぶりだ。
 そして、この沢に入るのは10年ぶりだ。

 間伐作業が行われているらしく、真新しいおがくずが下降路に散っていた。
 吊り橋を渡って斜面をトラバースしていくと、遭難碑。
 碑のあるところは、かつて陽の当たる斜面だったのだが、ヒノキが育って樹林の中になっていた。

ツルツルの壁を越える

弁天の滝(大きな写真)

 いつもの入渓点から沢に降りて、ゴミ拾い開始。
 入渓点周辺には若干のゴミがあるが、遡行していくと、汚れはあまり目立たない。

 ミソサザイのさえずる声が渓に響くが、周囲の景観はまだ冬のたたずまいで、斜面の残雪と岩壁に下がった氷柱が目に入る。
 とはいえ、流れの中の氷はとけていたから、遡行に問題はなかった。
 問題があったのはおれの遡行能力で、岩場の立ち込みに一抹の不安が解消できなかった。

小滝を超えていく

この小滝で本日は終了

 平瀬の川原が残雪に覆われた先に、小滝。
 右から巻くとすぐ上がスギ林。
 杣道が近いと判断して、遡行を中止して小尾根を登ると、すぐに道に出ることができた。

 下流部左岸は50年生のスギ林だが、東大演習林。
 とてもよく手が入っており、立派な木が多い。
 しかし熊によって根元の樹皮が剥がされる被害がひどい。

 10年前にも掃除したのだが、この日も、かなりの量のゴミを回収することができた。

熊はぎの跡



 この日はいつもの渓べりで打ち上げ。
 昨年の出水でテント場は荒れていたが、一張り分のスペースは確保できた。

 枯れ枝や倒木がふんだんにあったので、明るいうちに燃料を確保して夕方前から飲み始め、夜には渓に落ちた間伐サワラの生木を盛大に燃やした。

 サワラの生葉を燃やすと、炎と煙と燃焼音がすごい。
 大きな焚き火はうれしいものだ。
 意味もなく皆で、ヘラヘラ笑いながら枝をくべた。

 この夜は冷え込みもなかったので、暖かく過ごせた。