入渓点にある遭難碑
| 壁には氷柱が残る
|
この季節としては異常に暖かい日だったが、和名倉山の斜面には残雪がべったりと付いていた。
沢靴を履くのは2年ぶりだ。
そして、この沢に入るのは10年ぶりだ。
間伐作業が行われているらしく、真新しいおがくずが下降路に散っていた。
吊り橋を渡って斜面をトラバースしていくと、遭難碑。
碑のあるところは、かつて陽の当たる斜面だったのだが、ヒノキが育って樹林の中になっていた。
いつもの入渓点から沢に降りて、ゴミ拾い開始。
入渓点周辺には若干のゴミがあるが、遡行していくと、汚れはあまり目立たない。
ミソサザイのさえずる声が渓に響くが、周囲の景観はまだ冬のたたずまいで、斜面の残雪と岩壁に下がった氷柱が目に入る。
とはいえ、流れの中の氷はとけていたから、遡行に問題はなかった。
問題があったのはおれの遡行能力で、岩場の立ち込みに一抹の不安が解消できなかった。
小滝を超えていく
| この小滝で本日は終了
|
平瀬の川原が残雪に覆われた先に、小滝。
右から巻くとすぐ上がスギ林。
杣道が近いと判断して、遡行を中止して小尾根を登ると、すぐに道に出ることができた。
下流部左岸は50年生のスギ林だが、東大演習林。
とてもよく手が入っており、立派な木が多い。
しかし熊によって根元の樹皮が剥がされる被害がひどい。
10年前にも掃除したのだが、この日も、かなりの量のゴミを回収することができた。
熊はぎの跡
| 炎
|
この日はいつもの渓べりで打ち上げ。
昨年の出水でテント場は荒れていたが、一張り分のスペースは確保できた。
枯れ枝や倒木がふんだんにあったので、明るいうちに燃料を確保して夕方前から飲み始め、夜には渓に落ちた間伐サワラの生木を盛大に燃やした。
サワラの生葉を燃やすと、炎と煙と燃焼音がすごい。
大きな焚き火はうれしいものだ。
意味もなく皆で、ヘラヘラ笑いながら枝をくべた。
この夜は冷え込みもなかったので、暖かく過ごせた。
|