それにしても、ものすごい数の釣り人だ。
道路沿いに停まっている自動車は、のべ100台以上だっただろう。
この時期に、名の知れた渓に行くとどういう状況か、想像しないではなかったが、出かけてみると予想をはるかに上回る混雑ぶりだった。
どこに行っても釣り人だらけだったのでやむなく、車道に沿うA沢に入渓。
この沢、毛鉤を振り込むとさっそく反応があったので、めっけものだと思って入ったのだった。
ダイモンジソウ
| キイロスッポンタケ
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天気は曇り。
前線の活動が活発化しているという予報だったので、上出来の空模様だ。
反応はあるが、ちっとも鉤がかりしないので、やや不審になってきた。
出方が早いからおそらくヤマメ。
ヤマメの合わせには慣れていないから、はずしても不思議はないが、一つもかからないというのはちょっとひどい。
不審なアタリの正体は、ミニヤマメだった。
よく見ると、5センチほどのヤマメが一生懸命泳いでいるのだった。
小ヤマメがいるということは親ヤマメがいるということだから、気を取り直して釣ったが、毛鉤を追うのはミニヤマメばかり。
二俣以降はヤブ沢となった上、まともなサイズの魚は釣れそうになかったので、この日はこれにて終了とし、予約しておいた山小屋に向かった。
小ゴルジュ
| クロサカズキシメジ
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翌日は、朝から小雨。
だが、ここ2週間ほどの睡眠不足が一気に解消して、頭がスッキリした。
この日は、山小屋近くのB沢に入渓。
ブナの原生林をおだやかに流下する、端正な渓だ。
傾斜はどこまでもゆるやかで、瀬と落ち込みを連ねている。
前日、フライボックスをどこかで紛失してしまった上、天気も天気なのでこの日は久しぶりにえさ釣り。
昨日はヤマメの渓だったが、こちらはイワナの渓。
共通しているのは、スレている上、小イワナばかりという点だ。
天気が悪く魚が釣れないのだから最悪なのだが、なかなか楽しいのは、悪場のないきれいな渓を、のんびり釣行できるからなのだろう。
岩場ではダイモンジソウが花盛り。
随所で、トチの実が散乱している。
林縁には、サルナシやヤマブドウがちらほら。
倒木には、ツキヨタケ、ブナハリタケ、ナラタケ、クロサカズキシメジ、ヌメリツバタケモドキ、キイロスッポンタケなど。
帰りが長いので、早めに竿をしまって帰途につく。
ことしは、あまり釣りに行くことができなかった。
来年は、えさ釣りも、もう少しやってみよう。
ヤマメのテンカラ釣りももっとやってみよう。
遠征釣行にも出かけてみよう。
今年の渓に感謝しつつ、気持ちは早くも来年の渓に向かっていた。
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