タナビラの渓 |
朝の光が渓に満ちていくにつれて、流れをとりまく針葉樹林が浮かび上がってくる。
前回同様、この日もヤマトイワナに会うのが目的の木曽行きだった。 今回のメンバーは、荒川水系渓流保存会の会員8名と、瀬音の森会員でこの水系にくわしい愛知県のSさんの計9名。 樹木にくわしい人も多いので、林道を歩きながら周囲の森について、こもごも批評するのを聞いてるだけで、いい耳学問になる。 一帯は国有の人工林だが、さほど整然とした育林を行っているようではなく、さまざまな大きさの各種樹木が雑然と育てられている印象だ。
比較的手が入っているのはスギ、ヒノキ、サワラ。
ネズコやアスナロは自然に生えたものばかりのようだ。
小1時間ほど歩いて、前回竿を仕舞ったところから、Aさん、Sさんと入渓。
最初に釣れてきたのは小アマゴ。 朱斑の鮮やかな、宝石のような魚だ。
前回釣ったときには完全にイワナ域だったところを釣り遡ったが、相変わらずタナビラが出る。
イワナの出も速いので、なかなか合わせられない。
釣れてくるイワナは20センチ内外の個体で、地模様は流れ紋状。明瞭な白斑はなし。 やはり最低でも22〜23センチ程度にならないと、その川独特の形態は顕現してこないようだ。
岩場のサツキはそろそろ終わり気味。
この日はお昼前に終了。
今回も赤沢美林を見学。
こちらの渓は50年の禁漁歴があり、在来種が完全に保護されている。
その晩は民宿に泊まってささやかな宴会だったが、早々に沈没(たぶん)。 道ばたに咲く、キバナノヤマオダマキ、ウツボグサ、チダケサシ、タマガワホトトギス、ユウスゲなどを眺めなつつ、ヤマトイワナに多少の気持ちを残して、木曽をあとにした。
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