秩父の渓に、またもや、大規模ダム建設が計画されています。
現段階における、ダム事業の全体像は、かつて公開されていましたが、現在はクローズになっています。
国土交通省が、情報を公開するようになったことだけは、ほめてあげた(そもそも当然のことではありますが)のですが、また隠していますね。
かつて公開されていた資料を読む限り、堤高155メートルの巨大ダムを建設する主たる目的は、洪水対策です。
資料によると、200年に一度クラスの大雨によって荒川下流部が破堤したら、27兆円の被害が出るそうです。
ただ、現在公開されている「被害軽減期待額」などの数字は、算出根拠の記載もありません。
秩父における今までのダムと今度のダムの違いは、湛水による水没人家が皆無ということです。
これは、全国的な傾向ですね。
反対運動によるマイナスイメージと補償金額を考えれば、ダムを造りたい(工事がしたい)なら、奥山に造るしか、ないのでしょう。
過疎に苦しむ山村にとって、工事が来るのは、おいしい話です。
もっとも、工事は麻薬と同じで、ひとつの工事が終わったら次の工事がないと、生きていけなくなります。
そんな、工事漬けの体質が進行すれば、やがて、工事が切れたらおしまいという産業構造になってしまいます。
いや、すでに、そうなっているかもしれません。
この国も、もうおしまいですね。
新大洞ダムの詳細については、こちらで考えています。