300年の1年目

雪中測量
丸太橋作り

 いよいよ渓畔林づくりの取り組みが、始まりました。

 秩父の渓流周辺の樹林は、やや荒れたところにオオバヤシャブシやオオバアサガラ。
 重厚な原生林になると、渓畔にシオジ、トチ、ケヤキ、サワグルミなど、山腹にブナやカエデ類、尾根にモミやツガが生育しています。

 有志団体・瀬音の森では、この間、東大秩父演習林のご協力のもと、渓畔林再生実験のための苗木作りをおこなってきましたが、ようやく、それを植栽することが認められました。

 なるべく多くのみなさんの手をお借りして、この植栽を実行するため、このところ、植栽予定地の測量や、アプローチの整備などをおこなってきました。

 もちろん、実験ですから、100%成功するとは限りません。
 しかし、学問的な裏づけもありますので、一か八かの賭けではありません。

 20世紀は、日本中の渓を破壊した時代でした。
 21世紀は、渓流だけでなく、破壊された日本の生態系を回復する時代であってほしい。

 重機の力をもってすれば、渓の破壊は、数日あれば事足ります。
 ところが、荒れた渓の完全な再生には、ざっと300年という時間がかかるのです。
 今年が、300年の1年目になりますように。

 このような夢を見させてくれた、瀬音の森の仲間たちに、感謝したいと思います。