夢はふくらむ
−シオジ苗畑除草作業記2−


4月の植えつけ風景

大きく育ったシオジ

 秩父の渓で、渓流釣りをしていて、やりきれなく感じる風景がある。
 槙ノ沢や豆焼沢の広河原がそうだ。
 中津川の本支流は、もっと荒廃しているが、さすがに、あそこまで荒廃してしまうと、どうにかしたいという気持ちも、わいてこない。

 今後、新しい開発行為の予定されていない河原に広葉樹を植えることによって、これ以上、不必要な土砂流出が発生しないようにすることが、できないだろうか。
 渓畔林を育てることによって、新たな土砂流出を止め、かつては「幽玄」と形容された、滝や淵の連続する、秩父の渓相を復活させたい。
 そんなことが、できないだろうか。

 考えは、言ってみるものだと思う。
 昨年来、わたしと同じようなことを考えている人に、出会うことができた。
 その仲間といっしょに、「瀬音の森・秩父」という、小さな会を作った。
 すると、考えていたことが、実現の方向に向かって走りだしたので、本当に、たまげた。

 今は、植栽実験の段階である。
 秩父の渓畔林を形成する樹種のなかで、パイオニアの役割を果たしてくれる樹種はなにか。
 また、渓畔への植栽のノウハウは、いかなるものか。
 すべて、ゼロからの出発。

 しかし、苗たちの成長は、予想をはるかに超えて、着実だ。
 上の写真で、左の小苗が、わずか4ヶ月で、右の大苗に成長した。
 来春には、植栽ができるだろう。
 越えなければならないハードルは、まだまだあるが、何とか、なりそうな気がする。