初秋の渓

金山沢出合上の大淵

 出合への踏みあとを下降するのは、今年4回目だが、危ないところに着いてもまだ暗く、小雨も降っていたので、危ないところの通過には躊躇させられた。
 足元がいくらかはっきりするまで、しゃがんで四方山話。

 出合に降りてみると、やや増水気味で、いい感じだった。
 オニチョロがずいぶん小型化していたので、心なしか寂しさを感じる。
 エサ竿を、ひさびさに気合い入れて振るが、細イトがまとわりついて、調子が悪い。

 ちっともアタリがないのは、魚が少ない上、釣り人が多くてスレているためか。
 Jさんは、早々にエサ釣りに見切りをつけて、テンカラ竿を振り始めた。

 山形仕込みのテンカラが見れて、感激。
 しかし、毛針がどこを流れているのか、まったくわからない。
 Jさんも、毛針は見えないと言っている。
 なのに、ヤマメが釣れている。
 まるで、魔法だ。

 いちばんはじめのゴルジュ帯は、胸までの渡渉で抜けようとしたが、水流が強いため、高巻き。

 岩場には、群生したダイモンジソウがいっせいに開花していて、とても美しかった。
 シラヒゲソウは、ほとんど咲き終わったみたいだった。

 その次の難所を越えたところで、一時、雨があがったので、私もテンカラに転向。
 黄緑の胴、白いミノ毛のエルクヘアカディス。

 こんな虫はいないと思うが、すぐに良型ヤマメが出てくれた。
 Jさんの目の前で釣りあげたのはいいが、ハリはお尻に刺さっていた。(^_^;)
 今までテンカラで釣った4匹のうち、2匹はお尻にかかっている。

 なんでそうなるの?

 あがる予定だった大淵の手前でも、いいイワナがかかったが、痛恨のバラシ。
 これはたぶん口にかかってたと思う。

 きのこを物色しながらの帰り道。
 クロサカズキシメジ、ムキタケ、カバイロツルタケ、その他各種毒キノコが出ていて、にぎやかだった。