栽培きのこの恐怖

 スーパーで売っているきのこのほとんどは、菌床栽培で作られたものです。

 これは、おがくずと米ぬかを混ぜた培養基を使って栽培するもので、温度や湿度をきちんと管理することによって、一年中きのこを発生させることができますから、商品としてのきのこ栽培を成り立たせるには、これ以外の方法はないといっていい、確立されたやり方です。

 菌床栽培によって作られたきのこと、天然ものやホダ木栽培によるものとを食べ比べてみると、食味のちがいは歴然としています。
 歯切れやボリュームもちがいますが、なんといっても野趣あふれるきのこの香りは、比べようもありません。

 でも、一年中新鮮なきのこを食べたいという、日本人のわがままな食生活にとって、菌床栽培きのこは欠かせないものになっているといっていいと思います。

 ところで、このあいだ、知人から、おそろしい話を聞きました。

 菌床栽培のためのおがくず原料になる広葉樹の一部に、輸入木材があるというのです。
 輸入木材には、防腐剤や防虫剤が注入されています。
 なかには、シロアリ防除のための薬物が入っているものもあるとか。(これについては未確認)
 そのような材から作られたおがくずで栽培されたきのこは・・・!。

 やはりきのこは、栽培するなら原木栽培にするか、出所のはっきりした安全なおがくずを使ってほしいと思いました。

 きのこ栽培家の中には、おがくずではなく、輸入前に残留農薬をチェック済みのトウモロコシの芯を使っておられる方もおられます。
 きのこのパッケージにも、十分、注意すべきですね。

 そういえば、「原木栽培」を強調したきのこのコマーシャルを耳にするようにも、なりました。

 きのこに限らず、食べものに対する想像力が、もっともっと必要な時代になりつつあることを感じさせられます。