コマ打ちの作業は、刃物を使わないし、簡単にできる。
前項にも述べたように、コマ打ちの順番は、原木のコンディションに合ったものを優先する。
今回は打たないが、クリタケなどは、原木が芯まで乾燥していた方が、よく菌が回るという。
エノキタケ・ナメコ・ヒラタケは、腐朽力があるので、生加減の原木でもかまわないのだ。
一方、原木に含まれる水分が多い方が、菌の活着はよくなる。
そこで、菌を確実に活着させる(確実にぼだ木を作る)とともに、菌糸を早く伸張させる(よいほだ木を作る)ように案配してやる必要が出てくる。
原木のコンディションというのは、つまりはそういうことなのだが、シロウトなので、なかなかうまく見極めができるとは限らない。
単純作業なので、なるべく連れがいた方がやりやすい。
一人でやるときは、しかたがないから、行ったり来たりしている、なんの役にも立たないニワトリが話し相手となるが、けっこうばかばかしい。
それでも、オカクズなどをしげしげと眺めては、首を傾げなどしているから、何か考えているのかもしれない。
種コマは、一度開封したら、手早く一挙に打ってしまわなくてはいけない。
開封後、時間をおくと、乾燥してしまったり、害菌に侵されてしまう可能性が強い。
作業を早くする意味でも、人手があるに越したことはない。
また、日なたでは作業をしてはいけない。
紫外線は、人間にも多少の悪影響があるのだが、きのこの菌という繊細な生き物にとっては、殺人光線に等しいのだ。
さらに、打ちそこなって地面に落とした種コマは、もう使ってはいけない。
地面には、害菌を含め、いろいろな微生物がひしめき合って生きている。
ここは、目的の菌だけを植菌したいのだから、細心の注意を払うべきなのだ。
コマ打ちを終えた原木は、重ねて積みあげ、寒冷紗かこものようなものをかけておく。
ここから、「仮伏せ」という作業に入る。 |