北海道のアカモミタケ

北海道のアカモミタケ(食毒不明)

2004,9,4 東京大学富良野演習林

 北海道で、本州のモミに近い樹木はトドマツです。

 富良野で見せていただいたトドマツ林には、写真のようなきのこが多数出ていました。

 ひだの色も傷つけると濃橙色に変色する点も、アカモミタケそのものでした。

 ところが、カサの中央部がごらんのようなとび茶色。
 この個体だけがそうなのではなくて、一帯に出ていたすべての個体が、このような色をしていたのでした。

 高橋郁雄『新版北海道きのこ図鑑』(亜璃西社)所載のトドマツ林に出るアカモミタケの写真は、われわれがモミの木の下で見るアカモミタケと同一です 。

 したがって、肉眼的特徴から見る限り、このきのこはアカモミタケではないと言わざるを得ません。

 本州にもこのきのこが出るものなのか、それともトドマツ特有の菌根菌なのか。
 はたまた、顕微鏡による観察によってもこれとアカモミタケは別種であるのか。
 これは宿題になりました。