ライラックフウセンタケ中毒記

ライラックフウセンタケ

 ライラックフウセンタケを見つけたのは東信・太郎山麓だった。
 きのこの特徴その他については、こちらに詳しく書いた。

 日本語サイトの一つに「おいしいきのこ」と紹介されていたので、「アタル事はあるまい」と考えて、炊き込みご飯及びお澄ましにして、10本ほど食べた。
 なかなか美味しく、熱も出ず、下痢もせず、腹が痛くもならなかった。

 「いいきのこを食ったものだ」と喜んで寝に就いた翌朝も、特に変調を感じなかった。
 しかし、職場へ出勤してみると、何か変な感じがした。
 目の焦点が合いにくいのである。
 それだと、なんだか歩きにくい。

 目が見えないわけではない。
 よく見れば見えるのだが、右目と左目が一つのものをしっかり見ていない感じだった。
 目を開けたままの片足立ちが、いつもなら3-4分程度はできるのだが、この日は10秒とできないのだった。

 ライラックフウセンタケを食べたせいかと直感したが、そのように断定することもできないと思った。
 よせばいいのに、弁当に入れてきたライラックフウセンタケの炊き込みご飯をまた、食った。
 その日は終日、目が見えにくく、仕事にも大いに、差し支えた。

 帰宅時の自動車の運転は、不安ながら、非常に慎重に行ったので、無事に家に帰ることができた。
 夕方から夜にかけて、チューインガムをしっかり噛むことができにくかったり、ごはんを食べるのに箸を持ちにくかったりした。
 もちろん、ライラックフウセンタケはもう食わなかった。

 早めに休むと、翌日に症状はほとんど収まっていた。
 ライラックフウセンタケは食べないほうがよい。