ヒメベニテングタケ

ヒメベニテングタケ恋歌

 あ。また、逢えた。逢えてよかった!

 ほのかに赤みを帯びたつぼ。
 柄には、あったかそうなレモン色のセーターを着ています。
 オレンジいろのカサの上には、小さなつぼの破片が、たくさんのっかっています。

 ブナの森で見る、とても小さくて、繊細で、控えめなヒメベニテングタケ。
 毒きのこだけど、好き。
 だって、好きなんだから、しかたがありません。

 来年もまた、逢えるかな。逢えるといいな。

ヒメベニテングタケ(有毒?)

1998,8,18 玉原高原

 毒きのこではありますが、たいへん美しく、かわいらしいきのこです。
 ベニテングタケとは、いろんな点で対照的です。
 こちらは、ベニテングとはちがって、小さくて、繊細で、控えめ。

 ヒメベニテングタケを写真に撮るのは、とてもむずかしい。
 それはあまりに繊細なきのこだからです。
 山と渓谷社の『日本のきのこ』の写真は、さすがによく撮れていると思います。

 しかし、カサの上のつぼの破片が、ブナ林の淡い光を受けて光っている姿までは、撮りきれていません。

 私も、カサの開いたヒメベニテングタケに何度も挑戦しましたが、いまだに、会心の写真が撮れないでいます。