蔵書を処分しなければならないので、旧読ノート。
スペイン内戦は、人民戦線政府に対するフランコの反乱だった。フランコは、ナチス・ドイツの全面的な支援を受けて反乱を実行した。
だから、スペイン内戦は、世界ファシズムによる、スペインへの攻撃だった。
人民戦線政府は軍事的には弱体だったから、窮地に陥った。
スペインの人民戦線の崩壊は、世界全体がが民主主義でなく、ファシズムに向かって動くことだと考えられたから、ファシズムに反対する人々は、スペインの事態を憂慮し、フランコの勝利を押しとどめにければならないと考えた。
スターリンのソ連・コミンテルンも、何らかの思惑により、ファシズムに反対した。
「何らかの思惑により」といわねばならないのは、スターリンの支配する国際共産主義運動が、実際にファシズムに反対していたか、疑わしいからである。
コミンテルンの中には、ファシズムこそが民主主義の敵であり、非抑圧民族の敵だと考える人々もいたが、スターリンにとって重要なのはソ連であり、民主主義ではなかったからだ。
イギリス・フランス・アメリカは、スペインの事態を傍観した。
ここでスペインの事態に対し、両国が軍事的に介入することは適切でなかったが、これら諸国のイニシアティブにより国際的な圧力をかけることはあってもよかった。しかしそれは行われなかった。
人民戦線の命脈は、風前の灯だった。
ここで、スペイン政府軍支援のための、ボランティア軍が組織された。それが「国際旅団」だった。
ここには、リベラリストだけでなく、共産党員も多く参加した。その意味で、国際旅団は、国際的な人民戦線軍だった。
彼らはおおむね勇敢に戦ったが、軍の中でヘゲモニーを握った共産主義者たちが、思想の異なる同僚たちを粛清し始めた。
その実態については、オーウェルの『カタロニア讃歌』が、絶望的に描いている。
政府軍は敗北し、ファシズムがスペインを支配した。それは第二次大戦の序曲となった。
スペイン内戦は、世界史の重要な転換点となった。
この戦いに参加した日本人は、アメリカの労働者だったジャック・白井だけだった。
本書は、史料の少ない白井の生涯と思想について、可能な限りていねいに掘り起こしている。
国際旅団の歴史的評価はまだ、定まったとは言えないが、自分的には(コミンテルンによる恣意的な介入を除けば)高く評価すべきと思っている。
スペイン内戦について、考えるべき点がまだまだ多い。