トマス・ペイン『コモン・センス』

 この表題に限りない共感を覚える。

 尖った考えを言う必要はなく、誰もが共感しうることを言うべきなのだ。
 では、18世紀なかばの植民地アメリカにおけるコモン・センスとは、どのようなものだったか。

 この本の核心は、植民地はただちに独立べきこと、そのために武器を取ることを厭うべきでないことであろう。

 だが、象徴天皇制をいかにして合理化し維持していくかという近年の議論を見ていて、ペインの君主論を読むと、下記のように当然の考察でありながら、国内でこのような議論が全くなされていないことに驚く。

 君主はいかにして、権力を手に入れたか。


 古代の暗いベールをとり除いて王族の起源を探るなら、初代の王は行動力のあるギャングの親分にすぎなかったことがわかるだろう。かれは野蛮な手口や悪知恵にたけていたため、略奪者たちの間で首領という名をもらったのだ。そして勢力を伸ばし、略奪範囲を広げることによって、おとなしい無防備の人間を脅しつけ、身の安全を図ろうとする者からしきりに貢ぎ物を巻き上げていたのだ。


 邪悪な歴史を書き換えるだめに、

 口移しで伝えられた歴史は、つくり話でいっぱいであった。そこでマホメットのように二、三代たってから頃合いを測り迷信的な物語をでっち上げて、世襲権を民衆に押しつけることは容易なことだった。そこでマホメットのように二、三代たってから頃合いをを測り迷信的な物語をでっち上げて、世襲権を民衆に押しつけることはいとも容易なことだった。

 いかがわしい人物が権力と権威を手に入れて、王となる。
 王権は、甚だうま味のある権力だったので、資格のある者たちの醜悪な争奪戦が繰り広げられる。

 そして、王権の由来するところに関する「迷信的な物語」をでっち上げる。
 一度成立した君主権が世襲されることによって、


 次の代には子孫たちが悪党やばか者の統治に服するかもしれない

わけである。

(ISBN4-00-341061-0 C0131 \660E 1976,4 岩波文庫 2026,6,23 読了)

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