ロック『市民政府論』

 啓蒙思想の政治学古典。

 ロックの人権論の中核にあるのは所有権という考え方らしい。
 ここで言われる所有権は、単に自分のものは自分のものというだけでなく、自分の身体や自分の幸福というようなものも含まれているように見える。
 すなわち、自分が自分であることが所有というカテゴリの本質であり、それは十全に保障されなければならないと彼は考えている。

 彼はまた、所有権は労働により生成すると述べている。
 これはつまり、基本的人権は労働に由来するということだろう。
 説得的で、とてもユニークな考え方だと思う。

 また彼は、法の支配を前提として、政治権力の中核が立法権であることも述べている。
 立法権が人民にあるにせよ君主にあるにせよ、政治はそこを起点とする。
 政治が人権を保障するためにあるとすれば、立法権に人民が関与することは不可欠で、それが議会というかたち以外にありえない以上、政治にとって議会の存在は当然ということになる。

 なるほど、民主主義の歴史にとって、巨大な思索の記念碑だと感じた。

(1968,11 岩波文庫 2026,4,26 読了)

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