不登校体験者がどのように不登校を生きてきたかをインタビューした本。
学校が生きづらいのは、本来多様な存在である人間(子ども)を、規格化しようとする場所だからだろう。
子どもは自分の人生を生きようとしているのに、学校は、ある規格に沿った人間を作り出そうとする。
学校には、規格に合わない人間は需要がないという偏見がある。
学校のスタッフは、規格化された人間がほとんどだから、そうなってしまう。
出かけるだけで学ぶことができ、友人とコミュニケーションできるのだから、そこが心地よければ、学校ほど快適な環境はないはずだ。
学校が苦しいとすれば、学校の状態がかなり歪んでいるからだろう。
他にまさる成績・実績をあげることが至上課題になれば、足を引っ張る存在は邪魔でしかない。
一糸乱れぬ秩序を維持することも重要な課題とかなるから、子どもの個性は学校が許容する範囲内でしか存在してはならなくなる。
スタッフとクラスメートが規格外の個性を認めないとすれば、そこは苦痛な場でしかない。
本書に登場する人々のように、学校から脱出することで自分を取り戻すことができる場合もある。