職人が多いが、それ以外の職種の仕事人も取り上げられている。
聞き書きによって仕事の奥深さを追究した本。
仕事の多くが、人に依存しなくなり、マニュアル化されつつある。
例えば、教師という仕事がある。
教えるべき内容は、ある程度決まっているが、相手のある仕事なので、どのように教えるかは、一人ひとりが工夫するしかない。
きわめて職人的な仕事だから、そこに面白さがある。
ひたから自己を磨くことによってステップアップするやり方もあるが、同業者と切磋琢磨するやり方もあり、基本的にはそれらをその人なりに組み合わせつつ、職人性を高めていくことができる。
驚いたことに今や、教え方にもマニュアルが作られ、いかにマニュアルに従って仕事を進めているかがチェックされるような時代になった。
人が日常生活を営む上で必要なルーティン、例えば火を使うとか調理するなども、コツも工夫も不要で、何かのボタンを押せばすべて機械が適切に処理してくれる(らしい)。
どんなにバカでも無能でも普通に暮らせるのだから、ありがたいと言わねばならない(よく知らんけど)。
本書を読んでいて、ちょっと心配なのは、ここに登場する方々の後継者は食っていけるのかという点だ。