現総理大臣を支える裏組織の活動を描いた小説。
筆者はこの組織のメンバーではないが、その周辺にいたらしき匿名の人物である。
現総理大臣(安倍晋三氏)は、三世政治家だが、基礎的な一般常識的教養・人格ともに水準以下の人物であるが、国家権力の中枢を実質的に牛耳っている人々にとっては御しやすい男のようだ。
この人々は、国民が権力に従順に服従するという国家秩序を維持・強化することを至高とする価値観を持つ。
違法行為はよくないと知っているが、至高の価値と比べ法の秩序も、彼らにとって次善の価値でしかない。
彼らの価値観は、新たな国体論である。
官邸ポリスとは別に、現首相を支えるもう一つの裏組織があると感じている。
それは、マスコミ対策から首相の一挙一動を演出するプロのパフォーマーである。
これらの上に乗っかって、滑稽な踊りを踊っているのが安倍晋三氏なのだが、周到に計算された裏組織に支えられて、「国民」の支持は高い。
安倍氏の政権を、ナチスドイツがポピュリズムに乗って政権をとった歴史となぞらえる人もいるが、このやり方はナチスとはまったく異なってシステマチックである。
カネ(機密費)とシステム(内閣人事局)と裏組織を駆使して、「国民」の意識を自在に操縦するシステムは、一見すると民主主義システムに反しない。
こんなシステムは、歴史に例がない。