鎌倉時代の政治史。
コンパクトな本だが、幕府と朝廷の権力関係や血縁関係について詳細に記している。
「日本」史上初の武士政権だった鎌倉幕府成立には必然性があった。
鎌倉幕府が崩壊したのは、その必然性を失ったからだと考えられる。
通史としては、その点を明確に描く必要があろうかと思う。
得宗専制への不満や元寇への恩賞問題をきっかけとして、鎌倉幕府の在地支配の制度的な弱さが増幅され、内乱に陥ったのではないかと思うのだが、その点についてはあまり積極的にふれられてはいない。
摂関家や得宗家の詳細な系図が載せられているのは、それなりに役に立った。