ガダルカナル攻防戦を、主として作戦面から検証している。
戦場の現場からガ島作戦全体をあとづけた本としては、五味川純平氏の『ガダルカナル』が詳しいと思う。
五味川氏の本が、戦争のほぼ全局面において、作戦の杜撰さを告発しているのに対し、こちらは日本軍が敢闘した部分にも目配りされている。
確かに、個々の指揮官・兵士が責任感だけを力として、勇敢に戦い抜いたというのも、ひとつの事実であろう。
しかし、見通しのない作戦を強行して兵士の生命をあたら散らしたというのが、この戦いの最大の特徴である。
本書がいうように、部分的には日本軍の局所的な勝機もなかったわけではなかった。
しかし、勝てれば何かが得られたのかといえば、いうべき言葉はない。