日本列島の火山についての概説書。コンパクトでとてもわかりやすい。
この列島が四つのプレートの運動によって作られた(というか作られつつある)ということに、考えの浅い人は思いを致さない。
同様に、この列島が火山列島であるという「不都合な真実」にも関心を持たない。
絶対にあり得ないにも関わらず、どうして「原発は安全だ」とか言えるのか。頭がどうかしているとしか、思えない。
しかし、この列島には数多くの危険な火山が集まっている。
そしていつか、破局的な巨大噴火が起きることも、確実である。
破局的巨大噴火(カルデラ噴火)が起きたときの予想犠牲者数は、1億2千万人。すなわち、列島民全滅である。
そうならないためにどうすればいいか、考えるのは今だ。
破局的でない噴火なら、ほぼ毎年のように起きている。
列島が全滅する規模でなくても、火山の噴火は甚大な被害が出る。
噴火の予知はほとんど不可能だし、たとえ予知できたとしても、インフラの壊滅は避けられない。
そうならないための国土づくりが求められている。
政府の一部で「国土強靭化」を叫ぶ人もいる。
国土をいくら強靭化しても、火山の噴火を防ぐことはできない。
被害を最小限に抑えるためのハード的な準備は必要として、いかに逃げ道を確保するかや、復旧の手立てをどうするかなどに、十分な備えをすることが、最も大切だろう。