「ジャーナリスト」とは、権力を監視し、民衆のための情報を提供する仕事、と思っていたが、ウィキペディアを見ると、単に情報を提供する仕事と書いてある。
主として活字メディアでの報道に関しては、「ライター」という呼び方も存在する。
「ライター」だと書く人なので、「売文業」と訳しても間違いではなかろう。
売文業者の中には、庶民の個人情報の暴露だろうが、弱者イジメだろうが、権力のタイコ持ちだろうが、嘘八百だろうが、カネになりさえすれば何を書いてもかまわないと考えている人がいてもおかしくない。
およそ人の仕事には、社会的意味が存在するべきであろう。
どういう形であれ、社会の役に立っているという自覚が、仕事に従事する人のモチベーションの支えとなる。
自分による情報提供が社会的に役に立たないばかりか、人権侵害を結果しようが頓着しないとすれば、もはや人間として腐っていると言ってよい。
本書に略述されているジャーナリストは、自由を抑圧する権力や時代の流れに、言論の力で闘った人々である。
言わねばならないことは、言うべきである。
そんなジャーナリズムが存在しなければ、この世は闇である。