椎名氏の「活字」シリーズの3冊目。
アウトドアと食べ物本が満載で、魅力的な本が膨大に紹介されている。
人の日常生活は、「常識」に包まれている。
食べ物はもちろん、人の一挙一動及び発想のすべては、「常識」的に執り行われる。
「常識」的な人が、「ジャガイモの皮は白褐色であるのに、紅い皮のジャガイモなんて変わってる」とか「サツマイモの皮は濃紅色なのに白い皮のサツマイモなんて変わってる」と言ってるのを聞いたことがある。
「日本」では、白褐色皮のジャガイモしか売れない(買ってくれない)から、「常識」的なジャガイモしか売ってないに過ぎないのだが、ジャガイモの原産地アメリカ大陸では各色のイモが作られ売られている。
イモ皮の色に関する「常識」は、この国の流通システムが刷り込んだものである。
その「常識」にとらわれるメリットはさほどないが、品種により特徴あるイモを食べる楽しみは確実に失われる。
人の目を覆っている「常識」は、できるだけとりはずした方がよい。
人は、目からウロコを落とすために、本を読むのだと思う。