原発の是非を問う国民投票実現のため、行動されている著者による、対話集。
「日本」の間接民主制が機能不全に陥っているのは明らかだ。
「国民」の相当数が、投票行動に意味を見出し得ないで棄権しており、代表者の対人口比の得票は微々たるもので、その正当性は大いに疑問である。
このようになった原因の一つは、選挙制度である。
現行の小選挙区制は、有権者の選択の幅を実質的には、制度的に制限するも同様で、「国民」の多様な意志を反映できない。
また、政党・政治家の行動が相変わらずわかりにくく、言行に相違があるため、「国民」は幻滅せざるを得ないのも、投票の意味を無意味化している。
そういった情況を背景に、床屋談義を実行に移すと主張する政治家に、支持が集まったりする。
それは、「ワイマール憲法なんて糞食らえだ」という床屋談義が独裁政治を実現したのと、似ている。
「国民」投票の制度によってたしかに、閉塞した情況が打開できるかもしれない。
本書で、それなりの見識を持つ人々が、首肯できる発言をされている。
このような対話が、庶民の生活の場で行われるようになればよいのだが。