『スローフードな人生!』の著者による、日本列島のスローフード紹介。
列島にはまだ、列島らしい食べ物や食べ方が残っている。
この本に紹介されたような食材を、声を大にして喧伝することは、大いに必要だと思う。
ファストもスローもなく、食べるとは周囲の人が食ってるものを食べることだと考えている人も多いだろうし、売ってるものはマトモなものだとか、テレビで宣伝しているものには間違いがないと信じている人もいるだろうから。
しかし、食について考えるようになった消費者が、本書に紹介されているような食材を入手するのは、容易なことではない。
地産地消といっても、大都市にマトモな産地など存在しないし、ちょっと離れたところの食材を手に入れるにも、流通の壁に阻まれる。
デジタル信号のように無機的な食に慣れた人々にとって、望みの綱は、各自の本能しかなくなっていく。
今や親の世代が、そうなりつつあるのが、現実だろう。
愚痴を言っても仕方がないから、とりあえず、多少なりともマトモなものを食って暮らすとともに、こんなことをしているよ、とつぶやき続けよう。