人間にとって、二足歩行することが、どういう意味を持っているかについて、多方面から解き明かした本。
ヒトの足の骨格的構造から、歩くことによって、人類が人類へと進化してきたということが、述べられています。
たいへんもっともな話で、歩くことがいかに大切か、思い知らされました。
結局のところ、生きるとは、歩くことであるわけです。
現代は、とりあえず、歩くことができなくなっても、ただちに死ななければならないわけではありませんが、歩けなければ、人間という生き物にとって、もっとも基本的な属性でなければならない身体の「自由」が、大幅に制限されてしまうのは、まちがいないことです。
人生は、自分の意志で生きてこそ、意味があるはず。
自分の足で歩けなかったら、どんなに悲しいことだろう、と思います。
著者によれば、45歳ごろから、正常歩行が徐々にできなくなってくるとのことです。
わたしはちょうど、その年齢です。
同じ年頃の人にくらべると、自分では、よく歩いている方だとは思いますが、なるべく長いあいだ、しっかり歩きたいものだと、つくづく感じました。
山などをしっかり歩けるうちが、自分の人生。
その後の残りは、余禄みたいなものだと思っていますので、楽しく歩く人生を生きていきたいものだと思いました。
(ISBN4-7942-0523-6 C0045 P1400E 1993,11 草思社刊 2001,3,14 読了)