『きのこ学騒動記』の姉妹編。
前著よりきのこそのものに関する記述が多いので、きのこを学ぶという点では、ためになると思います。
きのこの世界をよりよく理解するためには、どういうことを知らなくてはならないかが、おもしろく書かれています。
例えば、アンモニア菌。
これらのきのこは、モグラの排泄跡だけでなく、動物の遺体周辺にも出るそうです。
そうすると、人の遺体にも・・・と考えるのが、学者なのでしょう。
著者がオノエホウライタケを世に送るまでの話もおもしろい。
自然科学の垣根というのは、これほどまでに高いものなのかと、変に感心してしまいました。
それにくらべると、歴史学などは、アマチュアにも十分取りつける学問だと思います。
きのこの世界をうろつくことの楽しさを教えてくれる本でした。
(ISBN4-87525-151-3 C1045 P1700E 1993,2 海鳴社刊 1999,5 読了)