現場2

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一文キャンパス


 授業中とあって、はなはだ気が引けたのだが、もう一つ見ておきたいところがあった。

 校舎の配置はおれの在学当時とさほど変わっていなかった。
 ただ、古い木造校舎は建て替えられて、新しくなっていた。

 その出来事があったのは木造校舎でなく、そのころからコンクリート造りの建物だった。
 何について自己批判しろと言われたのか、肝心なことを忘れてしまったが、廊下にいたら、自治会役員を名乗る革マル派によって両腕をねじ上げられて羽交い締めにされ、自己批判しろと迫られたことがあった。

 映画の中の川口さんと同じように、自己批判を拒否したら、いきなりパンチを食らった。
 止めに入ろうとした二つ上の先輩は、思い切り蹴飛ばされた。
 映画に川口さんを蹴るシーンはなかったと思うが、革マル派は人を蹴るのだ。

 危険な場面だったと思うが、名前も知らない上級生らしき学生が「暴力はやめろ !」と言って、間に割って入ってくれ、その場から逃げることができた。
 いま思えば、その方には本当に感謝しなければならない。

 その当時は照明も暗く、床や壁は汚れていたから、見た目は全然ちがっていた。50年近くたって、内装はきれいになり、照明が明るくなってすっかり変わったが、その出来事があった場所は、紛れもなくここだった。

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2024年5月

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