白馬三山
岩岳ピークから白馬三山(左から白馬鑓・杓子・白馬)を眺める。
2005年8月10日の白馬岳は忘れられない。強い雨の中、早暁に蓮華温泉幕営地を発ち、3時間かかって白馬大池。
登高を続けたが、雨脚はさらに強まり、ものすごい雷雨となった。とてもじゃないが稜線には出られないので、雷鳴が轟く中、樹林帯で小1時間も立ち尽くした。
雷がおさまったところで稜線に向かったが、三方境で、最も年少の仲間がモームリとのたまった。
雨は多少マシになったが風がひどく、その子を岩の割れ目に押し込んで少し休ませ、どうにかこうにか白馬岳まで登り、頂上宿舎で幕営の手続きまですませた。この日の行動時間は11時間。
ところが、テント(たしかダンロップの4.5人用)を立てようとしたところで、暴風に煽られてポールが折れてしまい、幕営不能に陥った。
テントが張れないという状況の中で、荒れ狂う風の中、とりあえず仲間たちの有り金を確かめた。
そものそも、一泊1000円以内で山旅するつもりなんだから、みんなお金なんか持ってきてないのだ。
心配したが、食事なしなら山小屋に泊まれるお金があったので、その晩はみんな、小屋の布団で眠った。おれは同僚とふたりで、折れたテントポールをなんとか修理して眠った。
翌日は、不穏な雲行きながら雨ではなかった。とはいえ、天気予報は非常に悪く、豪雨の再来を予想していた。
予定では不帰のキレットを通過して唐松岳までということだったが、あんな危ないところに行けるわけがない。
もう下山しようと言うと、若い仲間は、不帰に行きたいとごねた。なんと健気なと感動したが、行ったら命の保障はないから、下山しようと説得した。
危険な大雪渓を下るのもありえなかったので、鑓温泉のルートで下山。その日は白馬尻の小屋で幕営した。
翌朝は、白馬駅まで下山するだけと思っていたら、夜半から再び豪雨に襲われ、朝起きたら、テントが小さな池の中に浮いていた。
駅までの登山道・車道もほぼ川で、道路をまたぎ、しぶきを上げて轟々と流れる支流が恐ろしかった。前日、大雪渓コースでは岩の大崩落があり、登山者が巻き込まれて捜索中とのことで、ヘリがブンブン飛び回っていた。
白馬グランドホテルで汗を流し、来た時同様鈍行で、ゲームで盛り上がってキャーキャー言いながら、秩父に帰ったのだった。
あれからおれは21年の歳を重ねたのだな。
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