若ブナの森
−葉山(長井) −

【年月日】

2023年5月27日
【同行者】 単独
【タイム】

葉山森林公園(7:53)−葉山山荘(10:12)−展望地(10:23-10:59)
−葉山森林公園(13:07)

【地形図】 羽前葉山 羽前上郷 荒砥 長井 ルート地図

 東北中央道が夜間通行止めになっていたのを把握していなかったのだが、登山口へは特に問題なく到着できた。

 もう一つ把握していなかったのは、この日長井市の小学校で大々的な葉山登山が行われるということだった。
 白兎登山口へ着いたときすでに、おおぜいの小学生たちでごった返しており、今まさに出発しようとしている状態だった。

ガクウラジロヨウラク
若ブナ林

 多少遅れて出たところで、すぐに追いついてしまうと思われたので、小学生たちに混じって出発。
 雰囲気的に、先生だけでなく、保護者も加わっているようだった。
 思っていたとおり、最初のグループは歩きはじめて5分くらいでブレーキになったので、先に行かせてもらった。

 尾根道だが、ゆるくダラダラと登っていく。
 道の両側にはヤマツツジとガクウラジロヨウラク。

 小1時間ほど登ったところで、先頭グループが止まったので、先に行く。
 ここからは静かになった。

 標高800メートル内外から傾斜が出てくる。
 曇りがちだが、天気は悪くない。
 周囲は若ブナ林。

タニウツギ
ムラサキヤシオ

 林縁のムラサキヤシオは、下部では終わっていたが、上部ではちょうどいい具合だった。
 エゾハルゼミの鳴き声に、ツツドリ・センダイムシクイ・コマドリ・クロジが和して、もう完全に初夏の山だ。
 朝から何も食べずに登ってきたので、けっこうバテてきた。

 イワウチワも咲き残っており、足元のショウジョウバカマも、上に行くほど新鮮になる。
 頂稜から落下する弥陀の滝は、なかなか圧巻。
 雪解け時期だからだろうか。

 足元にはときどき残雪も出てきた。

 T字路上のところは右折して高みへ。
 ほどなく傾斜が緩み、湿原に水芭蕉の花咲くおけさ堀コース分岐を分けると、葉山山荘に着いた。
 いい小屋だ。

ショウジョウバカマ
イワウチワ

 わきに建つ葉山神社に拝礼して、展望地へ進む。
 頂上湿原はみごとだが、何も咲いていなかった。

 少し下って、ケルンのある小ピークで大休止。
 ここの展望は豪華だ。

弥陀の滝
水芭蕉

 朝から雲が多いのだが、飯豊連峰が近い。
 朝日から飯豊がこんなに近いとは、意外だった。

 朝日連峰ではっきり見えたのは大朝日岳だった。
 たおやかな草原の山なのだが、こちらから見ると谷が深く切れ込み、とても険しい山なのだった。

 たっぷり休んだあと、下山にかかる。
 葉山山荘前では、ちょうど到着した小学生諸君が相変わらずにぎやかだった。
 こういう行事などヤメロという圧力がいつも強いのだが、頑張って続けてほしい。

 水芭蕉のところから西に折れて、おけさ堀コース。
 なんと、こちらのコースからも同じ学校の子どもたちがわさわさと登ってくるのだった。

大朝日岳
ウスバシロチョウ

 ほとんど傾斜がなく、こんなんでほんとに下れるのかと思うほど、ゆっくり下っていく。
 下山道は、朝日軍道を絡みながら下っていく。

 ようやく下りだが、大きくジグザグを切りながら下るので、歩きやすい。
 ブナ林は相変わらず、若い。

 途中の見晴らしからは、米沢盆地が望まれた。
 田植えのタイミングは、秩父とほぼ同じらしく、どこの田んぼもなみなみと水をたたえていた。
 じつに素晴らしい。

 ブナ原生林遊歩道という道標を見かけたが、その道が下山コースを兼ねているのかわからないので、メインルートを下った。
 登山道は林道に出るので、あとは車道歩きとなった。
 とはいえ、ようやく出たばかりのふきのとうや、ゆらゆらと飛ぶウスバシロチョウや、満開のヤマボウシの花などを見ながらだったので、ちっとも飽きなかった。

 登山口の駐車場に着く数十メートル手前で、登山靴のソールが剥げた。
 やれやれ、危ないところだった。
 最後の数十メートルだけ、剥げたソールのまま、ペタペタと歩いた。