久びさの西丹沢
−大滝沢から畦ヶ丸周回−

【年月日】

2020年3月21日
【同行者】 単独
【タイム】

箒杉駐車場(6:46)−大滝(7:40)−沖箱根沢F1(8:33)−地獄棚(9:03)
−屏風岩山(10:20-10:51)−大滝峠上(11:33)−畦ヶ丸(12:21-12:26)
−善六のタワ(13:07)−下棚出合(13:56-14:04)−西丹沢バス停(14:37-14:40)
=(富士急湘南バス)=箒沢バス停(14:45)

【地形図】 中川 大室山  ルート地図 (マウスホイールで拡大・縮小)

 中井パーキングエリアを夜明けとともに出発したので、いい時間に箒杉の駐車場に着くことができた。

 まずは箒杉の見学。
 今まで見た杉の中でも格別に大きな杉だった。
 とはいえ、説明板にある樹齢2000年はいかがなものか。

箒杉(大きな写真)
大滝(大きな写真)

 案の定、大滝沢の林道は荒れていたが、通行困難なところはとくになかった。
 登山道はとくに問題なかった。

 しばらく行って、大滝へ降りてみる。
 釣り人の姿は見えなかった。
 渡渉が必要なのだが、水量が激しく少ないので、飛び石でかんたんに渡ることができた。

 大滝は落差5メートルくらいの幅広滝で、美瀑ではあるが、淵はずいぶん埋まっており、水量も少ないので、迫力に欠けた。

 滝から上がって少しで、登山道に佇むカモシカに出会った。
 かなり近づいてみたが、しばらくお互いを見つめ合った。

カモシカ(大きな写真)
カモシカ(大きな写真)

 登山道をぼんやり歩いていたら、地獄棚方面に行く本流でなく一軒家の小屋への道に入ってしまい、やや時間をロスした。
 本流に戻ると、ここからは道なし。
 水が多いと登山靴でここを歩くのは無理そうだ。

 沢に入ってしばらくで、右岸の支流に細い滝を見る。
 多分これは沖箱根沢。
 細いとはいえ、落差はあっていい滝だった。

沖箱根沢F1(大きな写真)
地獄棚(大きな写真)

 沢床がかこう岩のナメとなり、屈曲すると、地獄棚を見る。
 これはすばらしい滝で、高さは30メートル以上あり、おおむね2段になって流下する。
 水量が少ないからおとなしく見えるが、増水すれば迫力があるだろう。
 ここでしばし、滝の鑑賞。

 少し戻って支尾根に取りつく。
 当然だが、沢を高巻くのだからひどい登りになる。
 このところ、こういうところを登り降りしていないので、ひどくきつかった。

 立木に捕まりながらの登りが標高差にして約100メートル。
 その先は急登ながら、歩いて登れる登りだった。

 標高830メートルあたりの崩壊地が最大の難所だが、なんとか登りきった。
 左がヒノキ林でトラバースする踏みあとも散見されるが、ルートは尾根通しだ。
 標高880メートルあたりから、尾根上は防獣柵だらけになる。
 こういうところは、鹿も苦労するだろうが、人間もらくでない。

 防獣柵を越える脚立もあるのだが、それを使ったからといって使えるルートとは限らず、傾斜が緩むのが救いといった登りなのだった。
 前山に立つと防獣柵がなくなって、踏みあともはっきりしてくる。
 屏風岩山まであとひと登りだった。

屏風岩山からの富士山(大きな写真)
尾根道(大きな写真)

 ろくに休まず4時間近く行動したので、とても疲れた。
 ここで大休止。
 樹林越しだが展望はあって、富士山がよく見えた。

 前回の登山(国上山)以来、ヤカンが見当たらないと思ったら、今回は箸がなくなっていた。
 このところ、山でのなくし物が多くて、途方に暮れる。

 元気を回復して北に向かう。
 緩やかに登下降していくと大滝峠上。
 ミツマタ群落があって大開花していた。

 ここで下山にかかってもよかったのだが、まだお昼前だったので、先へ進んだ。
 畦ヶ丸はまずまず大きな山で、基本的にずっと登りが続く。
 しかしさほど急登でもなく、避難小屋まで1時間かからなかった。

 登り着いた畦ヶ丸小屋は、建て替えのため使用禁止になっており、ロープで柵をしてあった。
 29年ぶりに訪れたのだが、中をのぞくことができず、屋根の上に登ることもできないのが残念だった。

畦ヶ丸避難小屋(大きな写真)
ヒオドシチョウ(大きな写真)

 畦ヶ丸まで行って小休止。
 展望皆無だが、こういう山頂が落ち着く。

 善六のタワへは大きく下る。
 前方に主脈の山々や大室山が見える。

 西沢へはヤセ尾根の急下降。
 ところどころで渡る涸れ沢はひどく荒れていたが、登山道は問題なかった。
 本棚まで下れば、観光客らしき人々の姿が多くなる。
 中にはまともなザックを背負っている人もいたが、午後をかなり回っているのに、どこへ行くのかと思った。

ミツマタ(大きな写真)
ルリタテハ(大きな写真)

 下棚出合先のベンチで再び小休止。
 ここのミツマタもきれいだった。

 家族連れなども行き交う中、荒れて石だらけの登山道を行く。
 釣り竿を持った人もいるが、釣り人らしい格好をしていないから、観光客の一種なんだろう。

 西丹沢のバス停に着いたのは、バスが出る3分前だった。