檜洞丸から蛭ヶ岳
− 神之川から周回 −

【年月日】

2015年11月28日から29日
【同行者】 単独
【タイム】

11/28 神之川出合付近駐車スペース(9:57)−ヤタ尾根入口(10:24)−神之川林道(11:00-11:03)
   −熊笹ノ峰(12:19-12:41)−檜洞丸(13:05)−青ヶ岳山荘(13:20)
11/29 青ヶ岳山荘(6:33)−1460メートル峰肩(8:11-8:20)−蛭ヶ岳(9:31-9:48)−
   姫次(11:08-11:30)−風巻ノ頭(12:30-12:36)−神之川出合付近駐車スペース(13:45)

【地形図】 中川、青野原 大山 大室山 ルート地図

 神之川に来るのはあまりに久しぶりなので、ナビの言うことが信用できず、入口を間違えて時間を少々無駄にした。
 それにしても自宅から丹沢は遠く、登山口近くまで、途中休憩を含めて4時間以上もかかってしまった。

 思わしい駐車スペースは全てふさがっていたので、いくらか戻って、道路の広くなったところに自動車をとめ、10時前に歩き始めた。

 コンクリ階段のヤタ尾根入口から、ヒノキの植林地を急登する。
 ザックは日帰り同様の軽さなはずだが、気のせいかけっこうな重さに感じた。
 約1時間登り続けて、神之川林道に出たところで小休止。

 林道を過ぎてもずっと植林地が続いて、見るものはなにもない。

ハリギリ大木?(大きな写真)
ブナ大木(大きな写真)

 ずいぶん登ったところでスギ・ヒノキ林が切れて、ブナやカエデ類を中心となる広葉樹の森になる。
 傾斜は相変わらずきついが、大きなブナやハリギリらしき大木が随所にあり、登山道もメインの縦走路のように荒れておらず、気持ちのよい登りだった。

 縦走路直下にはひときわ大きなブナが数本あり、尾根に出ると快晴の空を背景にした巨大な富士山があらわれた。
 ここで大休止。

二股の大ブナ(大きな写真)
熊笹ノ峰に出た(大きな写真)

 檜洞丸までは少々の登りだった。
 山頂には、ブナなどの若木が散在しており、展望は樹林越しだった。
 石祠がひとつあって、祠の中に小さな地蔵様が入れてあった。
 これは、登山者のイタズラだろうが、罰当たりなことだ。

割れた大ブナ(大きな写真)
青ヶ岳山荘

 青ヶ岳山荘は山頂のほぼ直下にあり、丹沢主脈が一望できる位置にあった。

 受付をすませ、防寒着を来て小屋前のベンチでしばらくくつろいだ。
 夕食は夕日が沈んだあとで、夕食あとは小屋番さんと談話できる時間だったが、少々疲れていたので、この日は早めに休ませてもらった。

 ご来光予定時刻は6時半ごろだったので、朝食は5時半から6時のあいだだと言われていた。
 朝ごはんをいただき、身支度を整えて6時15分くらいに小屋を出たのだが、外はすでにずいぶん明るく、夜明け前の富士山を眺めるには、ちょっと遅すぎたかもしれない。

蛭ヶ岳(大きな写真)
夕照の富士(大きな写真)

 蛾ヶ岳に向かって歩き始めたのは6時半ごろで、どんどん下っていくと、ほぼ目の高さだった蛾ヶ岳が見る間に高くなっていく。

 この尾根も、おおむねブナ林なのだが、丹沢のブナは梢の先が貧相な感じがする。
 ブナ以外の樹種に乏しいことに加えて、そのことが、ブナ林らしからぬ不自然な明るさの原因なのではなかろうか。

青ヶ岳山荘の黎明(大きな写真)
朝日に立つブナ(大きな写真)

 ほぼ中間点の1460メートル峰にベンチが置かれていたので小休止。
 蛾ヶ岳に近づいていくのに、ここからまたまた下っていくので、ピークはなんだか絶望的に高くなっていく。

霜柱(大きな写真)
蛭ヶ岳(大きな写真)

 それでも、登り始めれば案じたほどでもなく、広く伸びやかな蛾ヶ岳山頂に登りついた。
 表尾根から登ってきたとき以来だから、ここに来るのは実に25年ぶりになる。

 ここで多めの小休止。

奥秩父・甲武信ヶ岳周辺(大きな写真)
奥秩父・雲取山周辺(大きな写真)

 富士山はもちろん、愛鷹連峰・噴煙を上げる箱根連山・伊豆半島の山に、真鶴半島あたりが望まれた。
 南アルプスは聖岳から赤石・荒川・塩見・白峰三山あたりが明瞭に望まれ、八ヶ岳・奥秩父のほぼ全山が見えていた。
 早春に来たときにはガスで何も見えなかったから、この展望は全く初めてだった。

御正体山の彼方に聖岳・赤石岳・荒川岳(大きな写真)
三つ峠と白峰三山(大きな写真)

 姫次へ下る道はほぼずっと、木の階段で整備されており、尾根の両側は防獣柵が張り巡らされていた。
 見たところ、防獣柵の内側は、ミヤコザサがよく伸びているように見えた。
 それはいいとして、神奈川県が作った「この柵は自然保護のため神奈川県が作りました」という看板が到るところにぶら下げてあったのだが、看板の数が多すぎだと感じた。

 原小屋平を過ぎ、ゆるい登りになるとしばらくで姫次。
 25年前はここでは休まず通過してしまったように思うが、疲れもしたし、ベンチがあいていたので、ここで大休止をとった。

 荷がいくらか軽くなり、袖平山を過ぎると、急激な下りになる。
 足を痛めないように、慎重に下っていくが、歩き出しから5時間を経過して、かなり疲れてもいた。

風巻尾根上部はツツジの道(大きな写真)
イロハモミジ(大きな写真)

 驚くほどの急降下を経てヒノキ林の登りになると風巻ノ頭で、ベンチとあずまやがある。
 ここで最後の小休止。

 植林地の急降下で神之川の河原がどんどん近くなる。
 地形図とは多少ずれるが尾根の左をジグザグに下ると、カエデ類の紅葉がちょうどいい具合だった。

 結局7時間の歩きで、駐車スペースに到着した。
 天候に恵まれて、とても充実した山行きだった。