ブナとモミの尾根
− 御正体山 −

【年月日】

2014年1月7日
【同行者】 単独
【タイム】

山伏トンネル(9:05)−MTB−白井平(9:19)−登山口(9:57-10:03)−道坂トンネル分岐(10:58)
−御正体山(11:47-12:18)−山伏峠分岐(14:01)−山伏トンネル(14:27)

【地形図】 都留、大月 上野原 大室山 ルート地図

雪とトリカブト(大きな写真)
山頂の祠(大きな写真)

 南大菩薩のたとえば滝子山あたりから南を眺めると、御正体山は、たいへん目立つ山だ。
 いつか登ってみたいと思っていたのだが、この山に登るための公共交通機関がどうしても見つからない。
 今回は、自動車でアプローチした。

 山伏峠の廃ホテルの入口に自動車をデポして、自転車で道志村へ下る。
 道路わきには雪が積もっており、自動車の温度計は氷点下7度を示していたが、念を入れて防寒してきたので、白井平まで、ひどく寒い思いをせずに下れた。  御正体山への道標に導かれて、しばらく車道を行く。
 道路の雪が氷化していたので、スパッツと軽アイゼンを早々に装着した。

 住宅地を過ぎると、別荘地となる。
 最後の別荘をを過ぎると道路はひどく荒れて、普通の車では通行困難と思われる道になった。
 車道の終点には2台分ほどの駐車スペースがあるが、ここまでたどり着ける車がどれほどあるだろう。

 ルートは谷に沿ってつけられていたが、尾根に上がれば氷化した雪はなくなると思い、軽アイゼンをはずして登り始めた。

 しばらく谷を行き、かなり奥まで入ってから、右岸の尾根に上がる。
 思った通り、雪はグズグズにとけかけており、登高に問題はなかった。

 最初はカラマツ、ついで雑木の二次林で、さほど見るべきところはないが、天気も上々・体調も上々で、急登にもかかわらず調子よく登ることができた。

大ブナ1(大きな写真)
大ブナ2(大きな写真)

 尾根に出ると積雪は20センチほどになるが、道坂トンネル方面からの道と合するので、トレースはむしろ明瞭となる。
 このあたりで小休止したいところだったが、腰を下ろす場所もないので、軽アイゼンを再び装着して、休まずに山頂に向かった。

 ここからの登りは地形図で見ると、強烈だが、実際にはさほどでない。
 モミが多くなり、ブナやミズナラの若木も出てくる。
 急登は最後までゆるまず、小広い山頂に出るとほっとした。

モミ林(大きな写真)
大ブナ3(大きな写真)

 トレースの部分以外はたっぷりの雪に覆われていたが、ベンチは出ていたので、ようやく腰を下ろすことができた。
 もちろんここで大休止。
 標高1600メートル余りの山だが、風もほとんどないのに、底冷えがした。

 展望はないが、なかなか気持ちのよいモミと雑木に囲まれた、じつに気持ちのよいピークだった。
 空も真っ青だったので、山伏峠への下りでの展望も期待できた。

イブキトラノオ(大きな写真)
トレイル(大きな写真)

 この日の山行のハイライトは、ここからの下りだった。
 基本はモミ林で、針葉樹はツガも混じる。
 そして、ブナの大木がいくつも生えていた。

 ここは、比較的若いモミと大ブナの林なのだった。  この標高の然林にブナが多いのは珍しくないが、モミはどちらかといえば、もっと低い山に多いように思う。

 道坂からのトレースに較べて、こちらを歩いている人は少ないようだったが、下りなので歩くのはラクだった。
 木を眺めながら急降下すると、空気の冷たさがいくらか和らいだような気がした。

 展望のよいところはなく、丹沢側から黒い雲がわいてきて、ちょっといやな感じがしたが、降り出すことはなかった。

大ブナ4(大きな写真)
曇る石割山(大きな写真)

 前ノ岳、中ノ岳と前衛峰を越えていくと、ヒノキ林が出てきて、里山に降りてきたらしい風情となる。
 西群馬幹線256鉄塔は、このコース唯一、展望の開ける場所なのだが、石割山と杓子岳は見えていたものの、富士山も丹沢山塊も、ガスの中だった。

 石割山と山伏峠の分岐まで来るとゴールが近いような気がするのだが、実際にはまだ少し歩かねばならない。
 とはいえ、下り案配なのでペースが上がり、ほどなく廃ホテルの前に出ることができた。