菰釣山に登った翌日は、道志村と秋山村との村界尾根を歩いてみた。
道志小学校近くに自動車を止め、大栗集落方面へ、しばし国道を歩く。
沢を渡り、擁壁の切れたところに、コンクリの階段。
道標はないが、ここが登山ルートの入口だった。
登っていくと地形図にない林道と人家。
その先のカーブに、赤鞍ヶ岳への道標があった。
スギ林を登っていくと、ふたたび林道。
これを渡ると、伐採地で、地形図にある送電鉄塔が建っている。
ここは展望がよいので、赤鞍ヶ岳への稜線がよく観察できる。
伐採地はひどいヤブになっており、ノイバラやタラノキ、サルトリイバラなどが繁茂していた。
ここでしばし、ノイバラの実を摘む。
伐採地が終わると、雑木林。
コナラを中心としたきれいな林だが、傾斜がきつく、少々ばてた。
尾根の直下はスギ・ヒノキ林だが、まったく手入れをしていない、無惨な植林地だった。
尾根に登って、厳道峠からの道を合わせると、たいへんよいブナ林となり、気分がよい。
大きいものは、幹まわりの直径数十センチ。樹齢は150〜200年くらいか。
このあたりとしては、最も大きなブナだと思われる。
三角点峰には、雨量計と電波塔が建っていたので、素通り。
カラマツ林を抜けた先で、尾根がやせて樹林が切れ、好展望。
加入道山と大室山がどっしりとして、たいへんりっぱ。
いずれも北面の、寒々しい姿を見せていた。
のんびり登下降していくと、道志への分岐。
地形図上の赤鞍ヶ岳は、そのすぐ先のピークだった。
赤鞍ヶ岳(朝日山)は、カラマツに囲まれて展望なく、積雪もある上、先客もいて賑やかだったので、若ブナ林を戻って、道志への分岐で腰を下ろした。
南を向いたカヤトの斜面は、たいへんあたたかな日だまりになっていて、眠くなるほどだった。
ヤブにからんだツルウメモドキの派手な実の色が、目についた。
帰りは、急な斜面の駈け下り。
途中で地図にない林道があって、登山道はわからなくなっていた。
林道を下ると、竹之本集落。
やはり南面なので、暖かいらしく、畑の菜類が防寒もなく、むき出しになっていた。
おれの畑はすでに土が凍って、鍬の刃が立たないというのに。
国道に出たところが大川渡(おかど)バス停。
道志川キャッチ&リリース区間のど真ん中だったので、川をのぞきながら、もとの場所まで戻った。