登山道はそこから。
この道は「上信越自然歩道」になっており、広くて歩きやすい。
あたりはカラマツと雑木の混合林だがキノコはまったくなし。
しばらくで、地形図には出ていない林道。 しかしヤマブドウやウルシやブナなどの紅黄葉が美しく、雲ひとつない快晴だったこともあって、久しぶりに命の洗濯だ。
左下に舗装された林道が見えるあたりからミズナラの木が多くなる。
ずっとトラバース道だが、赤沢峠直下の送電線が近づいたあたりですこし下り、小沢を渡り、ジグザグに登っていく。
小尾根の上の鉄塔のすぐ下にかぼそい水流があり、鎖場。
峠にはあずまやが建っており、四万への道は11月いっぱいまで通行止めと書かれた立て札でふさがれていた。
峠からはゆるい登り。 ブナハリタケの出た立ち枯れを見つけたので、ササをこいでそばまで行ってみると、まずまずのブナハリタケと、かなり大量のムキタケが出ていた。 ピークを越えると前方に三角錐の稲包山が見えてくるがずいぶん遠く感じる。
稜線につけられた歩きやすい送電線巡視道をずっと行き、稲包山直下からササのなかのかぼそい道。
傾斜がゆるむと雨量計のある稲包山の肩だ。
ここまではほとんど風もなかったが、頂上だけは冷たい風が吹いていてかなり寒かった。
山頂に吹く強い風をさえぎるものがまったくないのでじっとしていると寒い。 この季節になるとブナハリタケはかさが開ききっており、悪くなりかけているのも多かったが、ムキタケはちょうどよかった。 この日は法師温泉にいきたいと思っていたのだが、そうなると1時半ごろには下山しなければならず、思ったより忙しくなってしまったので、山中での食事はやめにした。 こんなことなら食事用具など持ってこなければよかったのだが、それは結果論。 水気の多いブナハリタケとムキタケ、そしてヤマブドウでずっしり重くなったザックを背負い、先を急ぐ。 法師温泉にはゆうに間に合った。入浴料はタオルつきで八百円とやや高かったが、足元から湧く源泉とランプが最高だった。 |