憧憬の山
−イブネ・クラシ−

【年月日】

2024年5月17日
【同行者】 単独
【タイム】

甲津畑登山口(6:02)−甲津畑避難小屋(6:53)−杉峠(8:45)
−イブネ(9:29)−クラシ(9:49)−イブネ北峰(10:29-10:54)−杉峠(11:31)
−甲津畑登山口(13:19)

【地形図】 御在所山 日野東部 ルート地図(マウスホイールで縮小・拡大可)

 時間がかかると聞いていたので、登山口までのドライブをいささか頑張った。
 おかげで安全圏な時間に歩きだすことができたが、眠い。

 登山口のゲート前に釣り人の車が一台。
 いいなぁ。
 眼下の渋川は、けっこういい流れだ。
 先客がいなければ、きっと釣れる。

巨シデ
巨杉

 ゲートはあるが仕事用の車は入っているらしく、舗装された道に轍がついている。
 林道歩きは約1時間。

 橋を渡って少し登ったところに、甲津畑避難小屋とトイレがあった。
 戸が閉めてあったので、中は見なかった。
 ここから登山道になる。

 この登山の主目的は、イブネの風景を見ることだったのだが、避難小屋から杉峠までは原生林で、これだけでも一見の価値は十分にある。

 清水頭への道が分岐するとすぐに、蓮如上人の遺跡と称する場所。
 石碑と案内板があり、緊急時には逃げ込めそうな小屋が建っている。

 そのすぐ先に巨木。
 他の木の枝と錯綜して葉の形がわからないのだが、どうもシデ類の樹らしい。

渋川源流
シロヤシオ

 やや傾斜が出てくるが、相変わらず穏やかな登りだ。

 道ばたに巨杉。
 スギ林でないから、天然杉だ。
 杉の前にも大きなミズナラが二本。

 渋川はずいぶん細くなり、小さな淵はあるが、イワナはもう、いそうにない。
 最源流まで原生林が続き、樹種もカエデ類・ブナなど、とても多様だ。

 杉峠のごく手前に水場。
 とても豊富に出ていた。
 多少なりとも荷を軽くするため、水を少なめにしか持ってこなかったので、ここで補給。

アオテンナンショウ
雨乞山

 杉峠に登れば、周りが開けて開放的になる。
 南側・雨乞岳への登りはひどい急登だ。

 ここまで来れば、イブネまで遠くない。
 右前方に、イブネのピークが見えている。

 尾根道だが、穏やかな登りで杉峠の頭。
 ここはピークらしくないので、山名板がなければ通り過ぎてしまうだろう。

アセビの新葉
イブネ直下

 タイジョウへの分岐には、ちゃんとした道がついていた。
 佐目峠へ少し下ると、イブネらしい景観となる。

 地面は苔に覆われ、コハウチワカエデやシロヤシオの疎林が広がっている。
 刈り込まれたような丸いアセビが新葉を出していて、赤い花が咲いているかのようだ。
 苔の緑とアセビの赤が、いいコントラストになっていた。

クラシへの道
クラシ周辺

 苔越しに御在所岳や釈迦ヶ岳が見える。
 前方の平坦そうなピークがたぶん、日本コバだろう。

 イブネからさらに歩を進めて、北峰へ。
 ここも好展望。

 少し下って、クラシへ。

 踏み荒らしのためか、鞍部はやや荒れていた。
 クラシのピークがどこなのかわからなかったが、とりあえず最高点まで行ってみた。
 展望はないが、アズマシャクナゲとコイワカガミが咲いているのは、ここだけだった。

 戻って、北峰で大休止。
 風がけっこう強くて、やや寒かった。

御在所岳
永源寺石垣

永源寺山門
永源寺本堂

 帰りは来た道を戻った。
 時間切れを心配したが、13時過ぎには登山口に戻れた。

 お礼参りは、永源寺へ。
 戦火により伽藍を何度も失いつつ、権力者の庇護によって維持されてきたお寺である。

 石垣も山門も、本堂もよく管理されていて、素晴らしいものだった。