春の霊仙山
【年月日】 |
2002年4月5日 |
【同行者】 |
単独 |
【タイム】 |
林道(9:40)-榑ヶ畑入口(10:10)-汗ふき峠(10:30)-お猿岩(11:25)
霊仙山(12:15)-四丁横崖(1:00-1:20)-漆ヶ滝(2:05)
-上丹生登山口(3:25)
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【地形図】 |
彦根東部、霊仙山
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気分のよい尾根道
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上丹生登山口近くに自動車をデポし、自転車で醒ヶ井養鱒場奥の登山口へサイクリング。
宗谷川では、でかいニジマスがぼんやりと群泳していた。
養鱒場から先は、舗装が切れ、静かな林道。
いくらか傾斜が出てき、こぎ登るのがいやになってきたので、途中の広いところに自転車を置いて、歩き始めた。
この日も、ウグイス、ヤマガラ、シジュウカラなどがにぎやかな、好天の一日になりそうだった。
足元には、スズシロソウ。西日本の花なので、初めての花だった。
登山口は、榑ヶ畑の廃村。
田や畑が全くないから、木地師の里だったのだろう。
ミヤマカタバミがすこぶる多いが、スギ林の中、まだ午前中とあって、開花しているのはほとんどなかった。
水場のところから山腹に取りつき、コブシの花びらを足元に見ながら、しばしのジグザグ登りで、汗ふき峠。
ここでもヤマガラが鳴いていた。
関東の山とくらべて、こちらにはヤマガラの生息密度がずいぶん濃いようだ。
ここからは、陽当たりのよい登山道なので、たいへん気分がよい。
ヒメウズ、各種スミレ、アマナなどを眺めつつ登ると、5合目。
琵琶湖が見えるのはいいが、展望のために、伐採された木が痛々しい。
ここで小休止。
やや急なところを登りきると、頂上台地の一角。
お猿岩からは、カルスト地形が一望できたが、北からの風が強かった。
カレンフェルトが点在し、ササの中に開かれたおだやかな道を歩く。
お虎ヶ池には、りっぱな鳥居が立っていた。
この池は、雨を乞う祈願のシンボルなのだろう。
ところでこの日、関西地方は、64年ぶりだという虎の連勝で、たいへんな騒ぎだった。
経塚からゆるく登り返すと、すぐに霊仙山の山頂に着いた。
さえぎるもののない展望だが、このあたりの山をまったく知らない。
目の前のどっしりした山は、たぶん、伊吹山。
その左の高いのは、金糞ヶ岳か。
伊吹の右の純白の連峰は白山だろう。
ずっと右にある高い独立峰は、御岳か。
今度来るときには、20万分の一の地図が必要だ。
倒壊した避難小屋を見て、鞍部に下ると、四丁横崖。
そのすぐ下に平坦なところがあったので、大休止にした。
急なガレ場の下りから水流が出てき、ニリンソウ、ハシリドコロ、ネコノメソウ、黒褐色のエンレイソウ、ワサビなどの花が見えるようになった。
クロジのさえずりを聞くと、沢を巻き下って、漆ヶ滝。
高さ7メートルほど。幅広でスダレ状をした、いい滝だ。
ヤマシャクヤクのつぼみに残念な思いを残しながら下っていくと、カモシカと鉢合わせ。
近づくと逃げてしまうので、デジカメではいい写真が撮れなかった。
対岸の崖で、キイーッという鋭い声をあげていたのは、離れザル。
こちらをにらみながら、でかい声で、しきりに何ごとか、怒鳴っていた。
水が伏流し、周囲が静かになると、トラツグミのうなる声。
この声は、明るいときに聞くのと、真夜中に聞くのとでは、印象がずいぶんちがう。
駐車場近くまで下ると、今度は見なれない動物が、斜面をのそのそ歩いていた。
昼間にアナグマを見たのは、これが初めて。
初めての鈴鹿で、初めての花をいくつか見ることができて、いろんな動物に会うこともできた。
ぜひまた、訪れてみたい。
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