白井差新道から両神山

【年月日】

2018年5月14日
【同行者】 全部で9名
【タイム】

山中宅(9:36-9:43)−ブナ平(10:51-11:00)−
剣ヶ峰(11:52-12:27)−山中宅(13:41)−白井差口(14:06)

【地形図】 中津峡、長又、両神山 ルート地図

 この時期の両神山は、樹林帯の新緑が美しい。
 今回のコースは、山中さんが拓かれた白井差新道だが、ここはスギヤヒノキの植林地が少なく、ほぼずっと広葉樹林を行く。
 この前ここを歩いたのは真冬だったので、初夏の樹林帯がどんなものか、とても楽しみだった。

 問題は、前線を伴った低気圧がちょうど通過しそうなことで、金曜日の時点で降水確率80パーセントと、あまり芳しくなかった。
 とはいえ、自宅周辺では、早朝からよく晴れており、ひょっとしたら快晴かも知れないと思われた。

 今回はパーティ登山なので、いったん秩父まで出て、バスで小鹿野に戻る遠回りアプローチだった。
 小鹿野役場バス停で待っていると、やってきた「バス」が9人乗りのハイエースだったのだが、これだとパーティ全員が乗る席はないのだった。

昇竜の滝(大きな写真)

ラショウモンカズラ(大きな写真)

 山中宅前で出発準備をしている間、山中さんがいろいろとためになる話をしてくれた。
 「ちゃんと生きて帰ってくるように」と言われて出発したが、山岳遭難と隣り合わせで暮らされている方なので、ここでいただいた言葉は登山するものに対する最も大切な言葉だと思う。

 足元には、ラショウモンカズラやクワガタソウが咲く。
 昇竜の滝を過ぎてしばらくで大又。
 ここで沢が左右に分かれる。
 左の沢に入ると水量がずいぶん少なくなったのに気づく。
 小森川は昨日の雨でいい按配に増水していたが、このあたりはほぼ平水だった。

ブナ平付近の若ブナ林(大きな写真)

ブナ(大きな写真)

 オオドリ河原から尾根にとりつく。ここから急登。
 かなり賑やかに登ってきたのだが、話し声がしばし途切れる。
 ブナの森に入ると、緑が一段と鮮やかになったように思えた。

 ブナ平は、壮年ブナの多い平坦地である。ここで小休止。

 ここまで来れば、稜線まであと急登少しである。
 バイケイソウ・ハシリドコロ・トリカブトの毒草御三家が、それぞれ大群落を作る中、ジグザグに高度を上げていく。
 フデリンドウの青い花を見れば、尾根は近い。

フデリンドウ(大きな写真)

剣ヶ峰から八ヶ岳(大きな写真)

 剣ヶ峰のピークまでは、すぐだった。
 八ヶ岳は鮮明に見え、富士山も一部が見えていた。

 この日は、あとから登ってくるという団体さんもまだ来ていなかったので、比較的静かだった。

 12時27分に、下山開始。
 白井差口バス停の発車時刻が、14時20分と16時22分。
 14時20分はまず無理だと思ったのだが、パーティはかなり、その気になっているようで、えらく速い。

 バスのために急いで、怪我などすると馬鹿らしいので、ゆっくり行ったほうがいいのだが、間に合うに越したことはない。
 オオドリ河原で休むつもりだったが、看板を見落として大又まで来てしまった。
 自分の中で、14時20分のバスに間に合う確率は50パーセントくらいと思った。
 ここから車道に出るまでは、あと少しだから、みんなに声をかけて、ノンストップで進んだ。

 おかげで、バスにも間に合った。
 今回もいい登山ができてよかった。