2日目
翌日、目が覚めたのは、夜中の3時前だった。
小屋の戸がガラっと開いて、人が入ってきた。
変だなと思っていたら、入ってきたのは2人の夜行人間で、大きなカメラと三脚を持っていた。
その人たちは、しばらく立っていたが、そばに横になり、毛布をかぶって寝てしまった。
夜行人間たちは、夜明けの写真でも撮りに来た人かと思ったが、われわれが外に出たあとも、毛布をかぶって寝ていた。
彼らが何ものなのか、けっきょく最後までわからなかった。
明けゆく空
| 弘法の井戸凍る
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日向大谷への道は、両神山表参道である。
新緑や紅葉の時期がとてもきれいだが、冬枯れの表参道も悪くない。
八海山への下り道にはシオジやカツラの大木が随所にあり、葉を落としたそれらの樹木の幹が、ひときわ立派に見えた。
快晴の日曜日だけあって、登ってくる登山者もちらほらいたが、普段に比べればやはり静かな両神山だった。
八海山と会所で小休止をとりながら、のんびりと下った。
朝日の中を行く
| 伊波羅天
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日向大谷手前の小沢を渡るところで、3人ほどのガン黒のお姉さんがいた。
まるで演劇でもやってるような服装をしていたが、あの人たちも、正体不明だった。
今回の山行では、不思議な人々との出会いが多いと思った。
日向大谷が近くなると、民宿両神山荘の犬が先頭を歩いてくれた。
バス停に着いたときにも相変わらず、空は真っ青だった。